教室での質問にお答えします Vol.1 柑橘系のスライス (くじら亭のミニチュアものづくり)

2024年4月から開講する趣味クラスの準備のため、少し更新がストップしておりました。楽しみにしていただいている方(もし居られたらですが)には、申し訳ございませんでした。

最近、趣味クラスの準備やご挨拶の為に、他の講師の方が担当されている大阪や京都の基礎・応用クラスや趣味クラスを見学させていただいてます。
その中で、受講生の方から「これってどうやって作るのですか」、「XXをしたいのですが何を使えば良いですか」等、質問を頂戴することが有ります。

先日も、柑橘系のスライスの表現を聞かれたのですが、実際にやってみないと正確に答えられないので、帰宅後実験・試作をしました。
その時「これって、ミニコレの「ものづくりブログ」と同じことをやっているなぁ」とふと思ってしまいました。
同時に、質問に対する答えを口頭でお応えするのではなく記事にすることで、質問された方も(口頭ではなく)文章で見ることができて判りやすいし、他の方のためにもなると思い、趣味クラスの講師のかたわら、教室で出た質問へのお答え内容を記事にしていくことを思いついてしまいました。

ということで、今回は、第一弾として、きっかけとなった柑橘系のスライスを取り上げます。その前に、中断していたタルトのスタンドも終わらせてしまいますね。

※ 当記事は、ミニチュアフードをご自分でお作りの方に、実際の作品の作る過程をネタに、ちょっとした(やや高度な)テクニックや道具・材料の紹介をしたいな、と思って書いています。基本的な道具や材料の使い方までは当記事ではお伝えできないので、ミニチュアフードを作ってみたい、作り方を知りたいと思っている方は、日本ミニチュアフード協会認定コース(基礎・応用)を受講されることをお勧めします。

その前に中断していたタルトのスタンドの型取りです。

前回の記事でブルーミックス型にプラ板とエポキシパテを押し込むところまでやりましたが、その後間が空いてしまいました。

それを取り出したのが下の写真です。
エポキシパテとプラ板はがっちりとくっついています。

そして、脚の部分を切り出しました。

そして、脚の部分を切り出しました。

タミヤの丸プラ棒とプラ板から、写真の様にカットしています。
本体には、白のサーフェーサーを軽く吹いています。

脚を接着しました。

本体の真ん中がプラ板なので、脚の部分はプラモデル用の接着剤で接着しています。

全体を白く塗って完成です。

全体を白く塗って完成です。

なかなか良い感じに仕上がったと思います。

続いて、レモンスライスを作っていきます。

続いて、レモンスライスを作っていきます。

原型を作って、ブルーミックスで複写を作るいつもの方法ですが、間で房に分ける等の加工が入ります。

写真のプラ板は、ウェーブ社の0.5mm厚のプラ板です。
1mm毎に目盛りが入っています。真っ白なプラ板だと、直角を出したりが難しいのですが、このプラ板だと出しやすいかもしれません。
(今回初めて使うので断定できません)

今回は直径6mmの円(大体10分の1の大きさ)を切り出します。
最初はサークルカッターで切り出そうと思ったのですが、この厚さのプラ板をサークルカッターで切ろうとしても、円が曲がってしまってうまく切れませんでした。
なので、コンパスで円を書いてカッター+やすりで切り出しました。

切り出した円盤をクリアフォルダーに固定します。

切り出した円盤をクリアフォルダーに固定します。

まぁまぁきれいに切り出せました。
黄色のクリアフォルダーなので、写真の色目が悪くてすいません。

エポキシパテで質感を付けます。

エポキシパテで質感を付けます。

プラ板で形を作って、表面に薄くエポキシパテを押し付けて質感を付けています。
このやり方だと、質感を付けているうちに原型の形が崩れるということが無いので、円や四角といった形の原型を作るときには効果が有ります。

エポキシパテに、放射状にカッターで短い線を入れて入れています。
端っこ(縁の部分)まで平らにするために、エポキシパテはプラ板からはみ出しています。

出来上がった原型です。

出来上がった原型です。

縁のはみ出したエポキシパテを削って、エポキシパテが縁まで水平になるようにしました。
そして、房と房の間の部分に切り込みを入れてあります。

ブルーミックスで型取りして、透明粘土「すけるくん」で複写を作りました。

ブルーミックスで型取りして、透明粘土「すけるくん」で複写を作りました。

「すけるくん」には、タミヤカラーのクリアイエローを混ぜています。
乾燥後に、透明度を上げるため、表面にもタミヤカラーのクリアイエローを塗っています。

そして、房と房の切り込みの部分から房を切り取りとり、切り取る度に切断面に白+ジェルメディウム+モデリングペーストを塗って、順番が変わらない様に両面テープに仮止めしています。
モデリングペーストを混ぜているのは、白にある程度の厚みが無いと、接着した時に見えなくなってしまうからです。

モデリングペーストが乾いたら接着します。

モデリングペーストが乾いたら接着します。

房と房の間に切り込みを入れたので、良い感じになっています。

皮の白い部分を加えます。

皮の白い部分を加えます。

白く着色したモデナを薄く伸ばして巻き付けました。
この時、表(質感を付けた方)をクリアフォルダーに押し付けて、それに沿ってモデナで作った皮を木工用ボンドで接着しています。
裏向けると、下の写真の様に、実と皮が面一になります。

皮の外の部分も同様に「すけるくん」を巻いています。

皮の外の部分も同様にタミヤカラーのクリアイエローを混ぜた「すけるくん」を巻いています。

巻いた後、クリアイエローで塗装しています。
レモンに見えますよね。
これからもこんな感じでお答えしていきたいと思います。

次回以降のテーマ・時期は決めていませんが、良い質問が有ったら不定期で掲載していきたいと思います。
これからもお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。

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