教室での質問にお答えします Vol.2 ホイップクリーム (くじら亭のミニチュアものづくり)

前回に引き続き、ミニチュアフード教室で聞かれた質問への回答を記事にします。

今回は、ホイップクリームの表現方法です。
ケーキやクレープをホイップクリームでデコレーションしたいけど、どのようにしたらいいかの質問でした。

※ 当記事は、ミニチュアフードをご自分でお作りの方に、実際の作品の作る過程をネタに、ちょっとした(やや高度な)テクニックや道具・材料の紹介をしたいな、と思って書いています。基本的な道具や材料の使い方までは当記事ではお伝えできないので、ミニチュアフードを作ってみたい、作り方を知りたいと思っている方は、日本ミニチュアフード協会認定コース(基礎・応用)を受講されることをお勧めします。

まずは絞り口を探してみました。

ケーキにデコレーションする場合、やはり星形6切か8切の絞り口で絞ったクリームが良い感じですよね。
そこで、ミニチュアフードで使えそうな星形8切の絞り口を探したところ、下の写真のテルモハウザー社の星型8切で、口寸法が2mmという製品が見つかりました。このサイズだと、絞り出したクリームが直径3mmぐらいにできそうな気がします。
これより小さい絞り口を見たことは無いのですが、もしご存じの方が居られましたら教えてください。
ちなみに、私が以前の記事で8切の絞り口を自作しましたが(下のLINK参照)、それとほぼ同じ大きさですね。

※テルモハウザー(thermohauser)は、1910年創業の、プロ用の製菓・製パン用の道具を専門に製造するドイツのメーカーで、通販サイトによってはサーモハウザー(半分英語読みかな?)と表示されている場合も有ります。

ホイップクリームは何が良いのか実験してみました。

ホイップクリームは何が良いのか実験してみました。
というのも、テルモハウザーの2mmの絞り口は相当狭く特殊なので、ホイップクリームの差が顕著に表れて、相性が有りそうに思ったからです。

今回は、比較的入手しやすい以下の3社の物を試してみました。

①パジコ クリーミーホイップ
②サン工業(旧 日清アソシエイツ)の、グレイス ホイップタイプ ソフト
③タミヤ ホイップの達人 ミルク

写真の様に絞り袋に入れて絞っています。

写真の様に絞り袋に入れて絞っています。

絞り口が大きいので、結構無駄になるホイップクリームが多いのが気になります。
私は、使った後小さなスプーンで絞り口の中のクリームを掬って戻しましたが、絞り口もう少し小さいと良いですね。

まずは、パジコのクリーミーホイップです。

まずは、パジコのクリーミーホイップです。

やや硬めで、絞り出すのにも少し力が必要でした。前回のイチゴケーキの時はここまで力が要らなかったように思うのですが、前回が11月、今回は3月で気温が少し低いのも影響しているかもしれません。

星の部分は奇麗に(つきすぎている位)出るのですが、最後の角がうまく立たなかったです。
粘りが少な目なので、角を付けようとしても、切れてしまう感じです。

次に、サン工業の、グレイス ホイップタイプ ソフトです。

次に、サン工業の、グレイス ホイップタイプ ソフトです。

このホイップクリームは、テルモハウザーの絞り口との相性があまりよくない様です。
まず硬くて絞り出すのに相当力が必要でした。
また、粘りがほとんど無いので、最後に角を作ろうとしても少し細めた所で切れてしまいます。

最後は、タミヤのホイップの達人ミルクです。

最後は、タミヤのホイップの達人ミルクです。

柔らかくて絞りやすく角もピンと立っています。
でも、柔らかすぎるのか絞った後で星の尖った部分が丸くなってしまいます。
これでは、星型の絞り口を使った意味がないですね。

テルモハウザーとの相性は、どのホイップも少し問題ありです。

テルモハウザーとの相性は、どのホイップも少し問題ありです。

このままだと、折角見つけた小口径の星形8切口金が使えなくなってしまいます。
そこで、パジコのクリーミーホイップとタミヤのホイップの達人ミルクを1:1の割合で混ぜて実験してみました。

実際には、タミヤのホイップの達人が4分の1ぐらいしか残っていなかったので、全量を絞り袋に出して同量のパジコのクリーミーホイップを入れて、マゼマゼしました。良く混ざったところで、タミヤの空容器に絞り入れるという荒業をおこなっています。

なぜこんなことをしたかというと、下の写真の様にタミヤのホイップの達人の容器が、テルモハウザーの口金にすっぽり入るので、絞り袋に出したり、口金に残ったクリームを戻さなくても良いからなんです。

タミヤのホイップの達人の容器は、少し手を入れています。

タミヤのホイップの達人の容器は、少し手を入れています。

口金との間の隙間を最小にするために、付属のプラ製絞り口を付けて、テルモハウザーの口金の内側に折り曲げて厚くなっている部分が有るので、接する部分を下の写真の様に少し削っています。

良い感じで絞れました。

良い感じで絞れました。

パジコとタミヤのいいとこどりができました。
そんなに硬くなく、絞りやすかったです。角もきれいに立っていますし、星の部分もちゃんととがっています。

これは使えますね。絞り出したクリームの直径は大体3~4mmですので、ミニチュアフードにちょうどいい大きさで絞れました。

次回以降のテーマ・時期は決めていませんが、良い質問が有ったら不定期で掲載していきたいと思います。
これからもお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。

前後の記事