ざる蕎麦をちょっとこだわって作ってみました Vol.1(くじら亭のミニチュアものづくり)

新年あけましておめでとうございます。

大みそかに次の記事のネタは何にしようかと考えていた時、年越しそばを見て、
そういえば、以前ざる蕎麦をこだわって作った時があったなぁ、と思い出しました。

ざる蕎麦は、器も料理もシンプルな料理ですが、
それだけに、ごまかしがきかないので、粗い部分が目立ってしまいます。
実は、ミニチュアフード作りでも難しいほうだと思います。

ということで、今回から数回にわたって「ざる蕎麦」の作り方を紹介します。
(年越し蕎麦に間に合う時期にやれと言われそうですが...)

ところで「ざる蕎麦」という言葉ですが、「もり蕎麦」、「ざる蕎麦」、「せいろ蕎麦」等の違いにこだわる方もおられるかもしれません。
当記事は、蕎麦の記事ではなく、ミニチュアの記事ですので、そのあたりはおおらかに、
「ざる蕎麦」という名称で、せいろに盛ったそばを作っていきます。

TOPの写真のすだれ、今回の記事を書くために作った物です。
2.2cm四方なのですが、いかがですか。(その後ろの完成品は2020年に作ったものです。)
こういう自然の素材をそのまま使った食器類は、その自然さを出すのに苦労をするのですが、
結構うまくできたなぁと思っています。(個人的感想です)

今回と次回で、このスダレの部分を作っていきます。
記事では、竹らしさの表現方法や、この細い板を糸で結ぶ加工方法をご紹介します。

※ 当記事は、ミニチュアフードをご自分でお作りの方に、実際の作品の作る過程をネタに、ちょっとした(やや高度な)テクニックや道具・材料の紹介をしたいな、と思って書いています。基本的な道具や材料の使い方までは当記事ではお伝えできないので、ミニチュアフードを作ってみたい、作り方を知りたいと思っている方は、日本ミニチュアフード協会認定コース(基礎・応用)を受講されることをお勧めします。

綺麗な平行線を引くときは、スコヤという道具を使うとうまくいきます。

すだれの部分は、実物同様細く切った板を糸でつなぎ合わせて作っていきます。
大きさは大体1/8で作っていくつもりなので、1mm幅で長さ22mmの板を大量に作って結び合わせます。
板の原料は、タミヤのプラ板(0.3mm)を使いました。

また、プラ板が苦手な人のため、紙(手元にあった0.4mmの厚みの紙。POPを作る紙の様です)でも作ってみました。

プラ板、紙にかかわらず、「細く均等な幅に切る」ということが苦手な方が結構おられると思います。

金属定規とカッターで切り出そうとすると、ちょっとの力の入れ具合や目盛りのずれで幅が均等になりにくいのですが、
スコヤという道具をうまく使うと、細く均等に切り出すことができます。

スコヤというのは下の写真のような道具です。
(マスキングテープが貼ってある理由ですが、この部分がステンレスでできていて、
デスクライトを使って細かい作業をするときに反射してまぶしいので、反射を抑えるために貼ってしまいました。)

これの台の部分(金色の部分)をカッティングマットの下の部分に合わせて、マスキングテープが貼ってある部分を使って線を引きます。
次に、金属定規で22mm分ずらして線を引くときれいな平行線が引けます。
このとき、線を引くプラ板をマスキングテープで固定しておくと、平行線がずれることを防げます。

この線が、細く切り出すときの両端の目安になります。

この形を見るとわかりますが、スコヤは直角や平行線を引くのにも重宝します。
今後も紙や木材、プラ板の加工をする方は購入されることをお勧めします。

細く均等に、すだれの細い板をプラ板から切り出します

前の写真で引いた22mm幅の平行線のどちらか1本を、カッティングマットの横線とぴったり合うようにして、
プラ板をマスキングテープで固定します。
幅を測るための金属定規もカッティングマットの線と平行になる様にマスキングテープで固定しておきます。

そして、スコヤの台の部分をカッティングマットの下の辺に合わせると、22mm幅の平行線と直角に切ることができます。
スコヤの先端を金属定規のメモリに合わせて、スコヤに沿ってカッターを軽く動かして3回ぐらいで切る様にすると、綺麗に切れます。
このとき、一度で切ろうとして力を入れると、スコヤを押してしまい、線がゆがんでしまいますので、
あまり力を入れずに、3~4回ぐらいで切れるぐらいが最適です。

切れたら、金属定規のメモリを見て、1mmスコヤをずらして、同じように切り取ります。
これで、一定の幅のきれいな板を切り出すことができます。
スコヤの台の部分をきっちりとカッティングマットの下に合わせること、カッターは力を入れすぎないことがコツです。

大体1mm幅の板は、切った後にチェックすると半分ぐらいはゆがみが有ったりして使えなくなるので、
少し多めに30~40本ぐらい切り出します。

また、スダレの両端用に2mm幅の物も3~4本切り出しておきます。

すだれの細い板、紙でも同時実験しています。

プラスチックの加工に慣れていない人向けに紙でも作ってみました。
切り方はプラ板と同じです。

私は左利きなので、実はこの向きに切っています。
内緒ですが、ひとつ前の写真はわざと左右入れ替えて写真撮影しています。

プラ板と同じで、スコヤの台の部分をきっちりとカッティングマットの下に合わせること、カッターは力を入れすぎないことがコツです。

塗装作業のため、小さな板を固定します。

プラ板や紙から切り出した多数の板は、まとめて固定しないと塗装しにくいですよね。
ひとつづつ手で持って塗るわけにはいきません。

プラ板の固定は簡単で、両面テープを貼りつけた木のマドラー(100均で売っているもの)に貼り付ければOKです。

問題は紙でして、両面テープやマスキングテープを使うと紙の表面が剥がれてしまいます。
そこで色々考えた末に使用したのが「ポストイット」です。これ、アイデアでしょ!

下の写真を見ていただくとわかるのですが、大きめのポストイットの粘着部分に押し付けています。
塗装するだけならこれで十分です。

プラ板で木を表現する際のひと手間をかけます。

出来上がりでは、ほとんど見えなくなりますが、(今でもほとんどわかりませんが)、
プラ板だと表面がきれいすぎて自然な素材感が出なくなるので、
240番の紙やすりで軽くこすって、傷をつけています。
自然な素材というのは、意識してみないと気付かない「不揃い」が沢山あります。
人はそれを感じ取って、例えば竹、木材、プラスチック、金属、石等を判別していると思っています。
(私の個人的な感想です....)

ですので、実際にはほとんど見えなくても、なんとなく感じるようにするため、こんなことをやってみました。

まずはプラ板を、自然な素材を使った感じを出すように塗装していきます。

今回プラ板は、プラモデル用の塗料を使いました。

まず、全体を「タン」と「ダークイエロー」を混ぜた色で塗装しました。
乾燥したら3~4枚ずつ、「カーキ」、「セールカラー」、「タン」、「ダークイエロー」を薄めたものを
サッと筆で塗っています。

なぜ、こんなことをしているかと言いますと、自然の素材で作ったスダレの場合、板ごとに微妙に色が違っているからです。
「ざるそば すだれ」でググって画像表示すると、板ごとに色が異なっていることがよくわかります。

試しに、「ざるそば すだれ ポリプロピレン」でググると、ポリプロピレンでできたスノコが出てきますが、
これは色が均一で、少し透けて見えますよね。
人間って、これを見たときにプラスチックって感じるんですね。不思議。
逆にプラスチックを表現するときは、均一に少し透けて見えるようにすることがコツです。

最後にクレオス社のトップコート(水性スプレー) 半光沢でつやを整えておきます。(ニスでもOK)
不思議なもので、色は板ごとに異なるのですが、つやは全体的に揃っているんですよね。

紙も、自然な素材を使った感じを出すように塗装していきます。

紙の塗装には、オリジナル絵の具を使いました。

「パンの生地色」と「ふんわり焼き色」を同量混ぜて使うのですが、プラ板でやったのと同様板ごとに濃淡をつけたいので、
2色をパレットに出した後で最初に全部混ぜ合わせず、一筆塗るたびに塗料を混ぜ合わせて、
わざと色がバラバラになる様にして塗っています。

絵の具が乾燥したら、全体に半つや消し(つや有りとつや消しを半々に混ぜたもの)のニスを塗ります。ニス塗りは必須です。
この後の作業で、マスキングテープに固定するので、ニスを塗っておかないと紙の表面が剥がれてしまいますので。

私は、趣味クラスで教えてもらった和信ペイント社の水性ウレタンニスを使っています。
環境対応であることが第1ですが、ウレタンニスは塗膜が強いので薄く塗っても大丈夫なところも気に入ってます。

色の変化の効果を実感いただけるかと思います。

色の変化をつけるとどのぐらい自然に見えるかをお知らせするため、
出来上がったすだれの写真を紹介しておきます。

結構いい感じに仕上がっているでしょ!

次回は、実際に糸で編む方法を紹介します。