パンを、ちょっとこだわって作ってみました。Vol.2 クロワッサンその2(くじら亭のミニチュアものづくり)

前回から作り出したクロワッサン、今回は焼き上げていきたいと思います。

パンの焼き色の付け方、基本的には茶色系の絵の具を薄めて筆で塗っていきますよね。
でも、クロワッサンの場合、層になっている部分がストライプ状になっていたり、
角っこの部分だけ焦げていたり、表面だけ薄くはがれていたりするので、
それ以外の塗り方も必要になってきます。

今回の記事では、そんな色々な塗り方をご紹介したいと思います。

※ 当記事は、ミニチュアフードをご自分でお作りの方に、実際の作品の作る過程をネタに、ちょっとした(やや高度な)テクニックや道具・材料の紹介をしたいな、と思って書いています。基本的な道具や材料の使い方までは当記事ではお伝えできないので、ミニチュアフードを作ってみたい、作り方を知りたいと思っている方は、日本ミニチュアフード協会認定コース(基礎・応用)を受講されることをお勧めします。

まずは側面の縞模様をドライブラシで塗ります。

側面の縞模様、以前にも紹介したドライブラシで塗っていきます。

横の層になっている部分にドライブラシをかけると、層の出ている部分だけが焦げ色がついていい感じになります。今回は、オリジナル絵の具の「ふんわり焼き色」をメインに、ちょっとだけ「パンの生地色」や「しいたけブラウン」、それに隠し味でアクリル絵の具のオレンジを混ぜたものを使います。

私の場合、色目を増やしたほうが自然な感じに仕上がると思い込んでいるので、最初に絵の具を混ぜずに、筆につけるときに毎度混ぜています。筆は、プラモデルのドライブラシ専用の筆クレオス社の「Mr.ウェザリングブラシセット SOFT(大・小各1本入)」を使っています。

塗り方は、以前にも説明していますが、

1)筆にちょっとだけ絵の具をとります。私は、筆の先っちょにちょっとついている程度にしています。ほんとにちょっとだけです。
2)ティシュペーパーの上で絵の具を混ぜつつティッシュでふき取ります。筆には、ティッシュが薄く色づく程度の絵の具を残します。
3)軽く塗りたい対象の表面をなぜるようにして、絵の具を塗っていきます。

もちろん、水で薄めたオリジナル絵具も使います。

また、生地の上の部分は、オリジナル絵の具の「ふんわり焼き色」をメインに「しいたけブラウン」や「ショコラ」を、
水で薄めて筆で塗っていきます。

ドライブラシで側面を、水で薄めた絵具で上面を塗ったのが下の写真です。
側面が良い感じだと思いませんか。

表面の生地の、規則的な凸凹模様を表現します。

クロワッサンのようなデニッシュ系のパンは、
表面の一番上の薄い層が焼けてその下の層から浮き上がり、規則的な凸凹模様がついていますよね。

これを表現するために、粘土(モデナ)を同量程度の水で溶いたものに、
オリジナル絵の具の「パンの生地色」を混ぜたものを、下の写真の様に塗っていきます。
塗るというより、置いていく感じです。

これにより、表面の質感がつきます。

縁の部分の焦げ目を中心に色鉛筆で仕上げます。

バゲットのクープの反り返った部分や、クロワッサンの各層の縁の部分なんかが代表格ですが、
パンの焼き目って、一部が集中的に焦げる場合もありますよね。
こうしたとがった部分だけ塗るのに良いのが「色鉛筆」です。

各層の縁や、側面の層の部分の一番出っ張ったところを、細~く塗り分けできるので、すごく便利です。
筆で塗ろうとすると、どうしても周りに広がってしまったりしましね。

また、層の上面も、3色ぐらいの色鉛筆で塗ることで、自然な焼き目をつけることができます。

仕上げの透明ニスを塗るまえにトップコートをかけます。

私は、色鉛筆や、(今回は紹介しませんでしたが)タミヤの焼き色の達人等、絵の具以外の粉末系の着色剤を使った場合には、透明ニスを塗る前に、軽くトップコート(クレオス社の「トップコート(水性スプレー) 半光沢」 )をかけることが多いです。今回も、トップコートをかけています。上からニスを塗るので半光沢でも光沢でも構わないのですが。

透明ニスは、表面保護の役割があるので、ある程度厚く塗りますよね。加えて乾燥するまでにちょっと時間がかかるので、色鉛筆の粉等は、透明ニスの中に溶けだして、流れて行ってしまい、せっかく塗ったのにどこかに行ってしまうことがあります。
これを防ぐのに、ニスを塗る前にトップコートを軽く(本当に軽く、サッと)吹くと、色鉛筆の粉や焼き色の達人が固着され、透明ニスで流されにくくなります。

トップコートでもニスと同様に、粉がいったんは溶けるのですが、薄くかけるため乾燥までの時間が短いので、粉が流れる前にトップコートが乾きます。また、トップコートに溶けた粉がトップコートの成分と混ざり合った状態でその場に定着します。そうすると粉がトップコートの成分に守られて、ニスに溶けにくくなります。

トップコートをかけた状態が下の写真です。
(ひとつ前の写真とほとんど違いは有りませんが。)

そして最後に透明ニスを塗ります。

そして最後に透明ニスを塗ります。

クロワッサンの場合、焼くときに一般的には生地の表面に溶き卵を塗るので、
ツヤ有のニスで塗っていきます。

透明のニスで仕上げたのが下の写真です。
良いツヤで焼きあがりました。

今回はここまでです。

実は、クロワッサンを作るのに、毎回薄く伸ばした生地を巻くのは大変なので、
型取りをして複写しました。今回、着色したのもそうして作ったクロワッサンです。

次回は、この型取りして複写する方法を紹介する予定です。