パンを、ちょっとこだわって作ってみました。Vol.4 パンドカンパーニュその1(くじら亭のミニチュアものづくり)
前回までのクロワッサンいかがでしたか?
今回からは、3回に分けて、パンドカンパーニュを作っていきます。
パンドカンパーニュって、パンのイラストなどでは良く登場しますよね。
独特のしま模様と、まるっこいフォルムが印象的で、フォトジェニックなパンの代表だと思います。
ミニチュアでパン屋さんを作ろうと思うと、並べたくなるものの一つですが、
でも、このしま模様が難しくて思い通りにいかないことありませんか。
このしま模様が付くのは、パンドカンパーニュの製造方法に理由があります。
パンドカンパーニュを作るとき、発酵カゴという、籐でできた半球状のカゴで生地を発酵させるのですが、そのカゴの模様の跡、なんですね。
そして、生地がカゴにくっつかないように打ち粉をするのですが、それがしま模様の凹の部分に白くたまって、しま模様を強調するようです。
今回の記事は、この作り方を意識して、発酵カゴから作っていきたいと思います。
TOPの写真は、アルミ線で作った発酵カゴで、樹脂粘土の生地を発酵させているイメージです。
(本物と同様、この発酵カゴで、樹脂粘土にしましま模様をつけていきます。)
目次
発酵カゴを作っていきます。
ということで、樹脂粘土に発酵カゴの模様をつけるための型(を発酵カゴと呼びます)を作っていきます。
材料は、太さ1.0mmのアルミ線を使用します。(ダイソーで売っていました。)
太さ1.0mmのステンレス線も売っていますが、アルミ線のほうが遥かには曲げ加工がしやすいので、アルミ線を買うようにしてください。
最終的には、下の写真の様に半球形に成形します。
なお、本物のパンドカンパーニュの作り方や、発酵カゴの使い方は、
cottaさんのサイトの「フォトジェニックなカンパーニュを目指して。発酵かごでパン作り」
がわかりやすかったので、リンクを紹介しておきますね。
ということでアルミ線を加工していきます。
ということでアルミ線を加工していきます。
1.0mmのアルミ線を40cmぐらい切り出します。
まずは、カゴの底の部分から作っていきます。
カゴの底は、下の写真の様に、「平やっとこ」を使って、少しずつ巻いていきます。
少し巻いては、「平やっとこ」で軽く抑える感じです。
「平やっとこ」をお持ちでない場合は、アルミ線に多少傷がついてもいいので、ペンチでも大丈夫です。
3~4周巻いたら、この作業は終了です。
ここから先は、巻いたアルミ線を球状にしなければならないので、治具をつくって、それに巻き付けるようにします。
全体を球形にしなければいけないので 治具を作ります。
全体を球形にしなければいけないので、治具を作ります。
といっても大層なものではなく、半球状のブルーミックスを作るだけです。
私は、計量スプーンの中でブルーミックスを固化させました。
私が使ったのは、0.8ccの計量スプーンですが、なければ100均で売っている計量スプーンでもOKです。
次回の記事を読んでいただくとわかるのですが、そんなに正確なものでなくても良いので、大きさに神経質にならなくても結構です。
好みの大きさの計量スプーンがなければ、ブルーミックスをそのまま手で丸めるという荒業もあります。
下の写真の様な、半球状のブルーミックスができればOKです。
そういえば、前回ブルーミックスでクロワッサンの型を取った時に書き忘れたのですが、ブルーミックスうを扱う際には、ポリ手袋は必ずするようにしてくださいね。
私も少しだけ化学薬品に過敏なところがあって、以前はポリ手袋が邪魔くさくてブルーミックスを素手で扱っていたのですが、結構な確率で全身が痒くなったりしてました。
先日、ついに軽い発疹まで出てしまったので、それからは反省してポリ手袋をするようにしています。
半球形のブルーミックスに沿わせて、アルミ線を巻き付けていきます。
半球形のブルーミックスに沿わせて、アルミ線を巻き付けていきます。
まず、先ほど3~4周巻いたアルミ線を真ん中に置いて、軽く治具に沿わせます。
そして、アルミ線の隙間に瞬間接着剤を垂らして固定します。
そのあとは、順番に治具に沿わせて巻き付けていきます。
大体1周巻き付けるごとに、瞬間接着剤で固定していきます。
下の写真は巻き終えて、アルミ線でできた発酵カゴを外した状態です。
ブルーミックス自体は、瞬間接着剤では接着できない素材なのですが、ブルーミックスを成形した時の、わずかな隙間に瞬間接着剤が入り込んで、ボロボロになってしまいました。
アルミ線の隙間には、はみ出た瞬間接着剤とブルーミックスの破片がくっついています。
内側の写真です。
アルミ線の隙間には、はみ出た瞬間接着剤とブルーミックスの破片がくっついています。
この状態で、はみ出た瞬間接着剤を取り除こうとすると、力を入れたときに発酵カゴ自体の形が変わってしまいます。
そのため、まず発酵カゴ全体を補強します。
補強のため、周りをエポキシパテで固めてしまいます。
補強していない発酵カゴに力が加わると、変形してしまいます。
接着剤自体が取れることもありますし、アルミ線自身が曲がってしまうこともあります。
このような変形を防ぐために、写真の様に、周りをエポキシパテを盛って固めてしまいます。
その際、発酵カゴの球形が崩れないように、いったん取り出した治具(ブルーミックス)を再度押し込んであります。
固定できたので、隙間の瞬間接着剤を取り除きます。
エポキシパテが硬化したら発酵カゴの完成です。
こうなると多少力を入れても大丈夫なので、発酵カゴのアルミ線の間に入り込んだ瞬間接着剤やブルーミックスを取り除いていきます。
取り除き作業には、縫い針を使用しました。
私は、細い部分の作業には、縫い針を使うことが多いです。
一般的に、細かい作業にはつまようじを使うことが多いと思いますが、縫い針はつまようじよりも細くとがっているので、より細かい作業がやりやすいです。
今回は、特に、アルミ線の隙間の細い部分に押し込むのと、少し曲げた状態で力を加えるので、縫い針が最適ですね。
ただ、針のままだと持ちにくいので、写真の様に、タミヤの精密ピンバイス Sに取り付けて使っています。
安定感があって使いやすいですよ。
針を使わないときは、縫い針を反対向きにしておく(糸を通す部分を外に出す)と安全ですし。
この縫い針で、アルミ線とアルミ線の隙間に入っている瞬間接着剤をこそげ落とします。
歯医者さんで歯垢をとるのってこんな感じなんでしょうかね?
瞬間接着剤がほぼ取れたら発酵カゴの完成です。
今回は、ここまでです。
次回この発酵カゴを使って、しま模様の生地を作っていきます。
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