パンを、ちょっとこだわって作ってみました。Vol.5 パンドカンパーニュその2(くじら亭のミニチュアものづくり)

前回は、パンドカンパーニュの生地に横縞模様をつけるため、発酵カゴを作成しました。

今回は、この発酵カゴを使って、TOPの写真の様な、パンドカンパーニュ(焼く前)を作っていきます。

今回は、原型を作ってブルーミックスで型取りをしていますが、原型は樹脂粘土で作っていますので、原型の作り方で作品を作ってもパンドカンパーニュができます。

※ 当記事は、ミニチュアフードをご自分でお作りの方に、実際の作品の作る過程をネタに、ちょっとした(やや高度な)テクニックや道具・材料の紹介をしたいな、と思って書いています。基本的な道具や材料の使い方までは当記事ではお伝えできないので、ミニチュアフードを作ってみたい、作り方を知りたいと思っている方は、日本ミニチュアフード協会認定コース(基礎・応用)を受講されることをお勧めします。

前回作成した発酵カゴの横縞模様を樹脂粘土に写します。

前回作成した発酵カゴの横縞模様を樹脂粘土に写します。

今回も、見やすくするため、濃色に色付けした樹脂粘土を使用しています。

樹脂粘土を少量とって、丸めて発酵カゴの中に入れて、写真の様な丸いもので(写真は化粧筆の軸です)発酵カゴの内側に押し付けておきます。
発酵カゴはエポキシパテで強化されていますので、多少強めに押しても大丈夫です。

一日乾燥させて、発酵カゴから樹脂粘土を取り出します。これが横縞模様の表皮になります。

一日乾燥させて、発酵カゴから樹脂粘土を取り出します。

一日乾燥させると、樹脂粘土が少し縮みますので、簡単に取り出すことができます。
これが横縞模様の表皮になります。

この時点では、凹凸がくっきり出ていますが、これからブルーミックスで型取りして複写すると適度に角が取れていい感じになります。

作成した表皮を4等分して、丸めた樹脂粘土に合わせて、作りたい大きさに調整します。

作成した表皮を4等分します。

そして、丸めた樹脂粘土(写真のパンの生地色の粘土)に合わせて、作りたい大きさに調整します。
この時丸めた樹脂粘土を増減したり、表皮の曲がり具合を変えたりして、全体の大きさや表皮の形・位置を調整します。

作例では、表皮を指先でつまんで曲がり具合を変えています。(プックリする様に、発酵カゴから取り出した時より曲げています。)

下のほうは、本来は表皮がつながっているのですが、全体の形とクープ(表皮と表皮の間の部分)の開き具合を優先して下まで離れたままにしています。この後、クープの部分を埋めていくときに、粘土で埋めてつまようじで表皮の模様をつけてつなげます。

隙間を、樹脂粘土で埋めてクープの部分の質感をつけていきます。

隙間を、樹脂粘土で埋めてクープの部分の質感をつけていきます。

上のほうは、クープ(表皮の切れ目から膨らんだ生地が出ている部分)ですので、つまようじや縫い針で凹凸をつけておきます。
下の部分は、本来表皮と表皮がつながっていますので、粘土で表皮と同じ高さにして、つまようじ等で横縞模様をつけて表皮をつなげておきます。

型取りのため、プラ板に貼り付けます。

型取りのため、プラ板に貼り付けます。

原型の樹脂粘土の表面保護のために、プラ板に貼り付ける前にサーフェーサーを軽く振っておきました。

ブルーミックスで型取りをして、複製を作成しました。

ブルーミックスで型取りをして、複製を作成しました。

やり方は、クロワッサンの3回目で説明したのと同じやり方です。

ブルーミックスが固まったら、パンの生地色着色した樹脂粘土を詰めて乾燥させます。
1日程度たつと、ほぼ全体が固まるので、横縞模様を崩さないように、まっすぐ引っ張り出します。固まる前に取り出すと、縁に触れて横縞模様が崩れてしまいます。ちょっとだけなら、つまようじやへらで修正できますが、大規模に崩れた場合はやり直しになってしまいます。その場合はもう少し長めに乾燥させてください。

また、乾燥時間によって一番上の辺りはまだ粘土が柔らかいので(1日程度だとまだ柔らかい場合が多いです)、表皮とクープの隙間を縫い針で突っついて少しめくりあげています。

これでパンドカンパーニュの焼く前が完成です。

これでパンドカンパーニュの焼く前が完成です。

次回はこのパンドカンパーニュに焼き色+粉付けを行っていきます。

パンドカンパーニュは、粉付けで結構印象が変わります。
次回紹介する方法も、パンドカンパーニュらしく見えるように、結構試行錯誤して編み出しました。お楽しみに!

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