パンを、ちょっとこだわって作ってみました。Vol.9 ベーコンエピその1(くじら亭のミニチュアものづくり)
今回から、ベーコンエピを作っていきたいと思います。 ベーコンエピって、形が特徴的なパンの代表ですね。
よく、こんな形に焼くことを思いついたなぁ、と感心します。
今回は、TOPの写真の真ん中にある、ベーコンエピの生地部分(ベーコンがまだ入っていないので、単なるエピですが)を作っていきます。
その右側が、本物の作り方を真似して実験的につくったベーコンエピ(の焼く前?)です。
今回の記事の最初に、この「焼く前のベーコンエピの作り方」も紹介します。
※ 当記事は、ミニチュアフードをご自分でお作りの方に、実際の作品の作る過程をネタに、ちょっとした(やや高度な)テクニックや道具・材料の紹介をしたいな、と思って書いています。基本的な道具や材料の使い方までは当記事ではお伝えできないので、ミニチュアフードを作ってみたい、作り方を知りたいと思っている方は、日本ミニチュアフード協会認定コース(基礎・応用)を受講されることをお勧めします。
目次
- まずは、試作として、本物の作り方をまねてベーコンエピを作っていきたいと思います。
- ベーコンを、のばしたパン生地で包んでいきます。
- 巻きあがったのが下の写真です。
- そしてはさみで斜めにカットします。
- カットした部分を左右に交互に開くと「焼く前のベーコンエピ」の完成です。
- ベーコンエピの生地の部分の型を作ります。
- 硬化後、上面をやすりをかけてまっすぐにしています。
- この型をエポキシパテで複写します。
- エポキシパテで複写した結果です。
- エポキシパテで作った複製をプラバンに貼り付けます。
- ブルーミックスで型を取ったらとんでもないことに...
- 柔軟性の高いブルーミックスソフトを使うことにします。
- ブルーミックスソフトの型で作成したところ、成功しました。
- ベーコンエピの先端と一番手前を作りました。
- そして、部品を組み立てていきます。
- パン生地の完成品がこちらです。
まずは、試作として、本物の作り方をまねてベーコンエピを作っていきたいと思います。
まずは、試作として、本物の作り方をまねてベーコンエピを作っていきたいと思います。
本物では、ベーコンを生地に挟み込んでから丸めるのですが、
そのとおりにやると、粘土のベーコンに弾力がないので、生地を突き破ってしまいます。
そこで、写真の様に、タミヤの2mmの透明プラ棒に巻き付けて粘土で作ったベーコンに丸みをつけておきました。
ベーコンの作り方は、別の記事で紹介する予定です。(Vol.3の予定です)
これにパン生地を巻き付けていきます。
ベーコンを、のばしたパン生地で包んでいきます。
ベーコンを、のばしたパン生地で包んでいきます。
実際やってみてわかったのですが、このやり方だと、生地を巻いているうちにどちらが上かわからなくなってしまいます。
ですので、ベーコンがある方がわかるように、端っこに「ふんわり焼き色」を付けて目印にしています。
巻きあがったのが下の写真です。
ベーコンをパン生地で包み終わったのが下の写真です。
ベーコンがちゃんと上になるように、「ふんわり焼き色」が見える部分を上にしています。
本物もこんな感じで作ります。
そしてはさみで斜めにカットします。
そして下の写真の様に、はさみで斜めにカットします。
本物もこうやって作っているんですね。
麦の穂のように、先っちょがちょっととがっているのは、こうやってはさみで切っているからなんです。
カットした部分を左右に交互に開くと「焼く前のベーコンエピ」の完成です。
カットした部分を左右に交互に開くと下の写真の「焼く前のベーコンエピ」の完成です。
本物だと、これを焼くと膨らんで良い感じになるのですが、
粘土はそうはならないので、これではちょっと使えないですね。
というわけで、これから焼いた形の生地を作っていきます。
ベーコンエピの生地の部分の型を作ります。
まず、ベーコンエピの生地の部分の型を作ります。
ベーコンエピは形状が複雑なので、節ごとに分割して作りたいと思います。
と言っても、節ごとの生地をひとつづつ作るのは大変なので、エポキシパテで、ひと節分の型を作って複写していきます。
エポキシパテで型取りする場合、後からやすりで修正できるので、
成形時に形を作ってしまう部分と、後からやすりで削って加工する部分を最初に分けて考えた方が楽です。
今回も、成形時(柔らかいエポキシパテで成形する時)は、側面をメインで成形しました。
エポキシパテが柔らかいうちに、側面の焼けて膨らんだ感じを出すようにしています。
上面は、最終的には平面にして側面との間に境目のエッジがある程度わかる感じにしたいのですが、
エポキシパテが柔らかい時に側面と上面を同時に作るのは難しいので、柔らかいうちは大まかな形(後で削るので大きめに)を作ります。
多くの場合、柔らかな曲線は最初に、まっすぐな面や線、曲面でも平滑なものは後からやすりで削りだした方がきれいにできます。
硬化後、上面をやすりをかけてまっすぐにしています。
写真では、違いは分かりにくいのですが、エポキシパテが硬化した後、上面(写真の上を向いている部分)をやすりをかけてまっすぐにしています。
側面との間のエッジがある程度出ているのがわかりますかね。
この型をエポキシパテで複写します。
ベーコンエピ1本分のシリコン型を作りるには、この部分が8つ必要なので、複写しています。
実際には、この原型(サーフェーサーを吹いたのでグレーになっていますが)からブルーミックスで型を取り、それにエポキシパテを詰め込んで複製を作成しています。
ブルーミックス型で複製するのは粘土やレジンというイメージがありますが、エポキシパテでも型取りできるんです。
なお、あくまで私はブルーミックスで試しただけで、市販のシリコン型では結果は判りませんのでやらないことをお勧めします。
(素材によっては、はがれなくなる可能性があります。)
エポキシパテで複写した結果です。
エポキシパテで複写した結果です。
最初の原型からブルーミックス型を作って、(一個予備を取って)9つの複写を作りました。
結構きれいに複製できています。縁の部分で少しパテがはみ出ているので、やすりできれいにしておきます。
エポキシパテで作った複製をプラバンに貼り付けます。
エポキシパテで作った複製を、ブルーミックス型を作るため、プラバンに貼り付けます。
エポキシパテを接着するときは瞬間協力接着剤を使います。
ここで一番手前の一つだけ、先っちょを丸くしています。
これが、ベーコンエピの一番先の部分になります。
ブルーミックスで型を取ったらとんでもないことに...
ブルーミックスで型を取ったらとんでもないことになってしまいました。
ブルーミックス型に粘土を押し込んで、一日乾かして外したところこんなことに。
ブルーミックス型の、「ベーコンエピの空洞部分」が取れてしまいました。
ブルーミックスは、そんなに柔軟性がないので、
乾燥して縮んだ粘土が食いついてしまい、ちぎれてしまったのかな。
これだと、ブルーミックスは使えませんね。
柔軟性の高いブルーミックスソフトを使うことにします。
ということで、粘土に食いちぎられないように、ブルーミックスより柔軟性の高いブルーミックスソフトを使うことにしました。
ブルーミックスソフトは液状なのでより正確な型が取れるから好きなのですが、
型取り時に、周りに枠を作らなければいけないのがちょっと面倒ですよね。
私はいつもこんな感じで、プラ板で周りを囲んで、その外側にマスキングテープを貼って漏れを防止します。
こんな感じでも十分に型枠になります。
ブルーミックスソフトの型で作成したところ、成功しました。
ブルーミックスソフトの型で作成したところ、成功しました。
パンの生地色で着色した粘土(モデナ)を押し込んで、丸一日乾燥させてから取り出しています。
下の写真の様に、ブルーミックスソフトの型が食いちぎられることなく、粘土の成形ができました。
ベーコンエピの先端と一番手前を作りました。
ベーコンエピの先端と一番手前を作りました。
赤い線で囲った部分が、一番先の節の部分です。
一つだけ、先っちょが丸いものがありましたが、それがこの部分です。
その裏側に粘土を貼り付けています。
あと、青い線で囲った部品が一番手前の節の部分です。
残りの節の内の一つに粘土を貼り付けて作っています。
そして、部品を組み立てていきます。
そして、部品を組み立てていきます。
細く伸ばした粘土の上に、木工用ボンドで順番に接着していきます。
まずは、一番先になる「先っちょがとがっていないもの」を接着します。
そしてこの後は、順番に左右にずらして接着していきます。
接着するときは、この細く伸ばした粘土と節になる部品だけでなく、部品同士も接着するようにしないと、ちょっと強度が弱くなりますので、ご注意ください。
パン生地の完成品がこちらです。
パン生地の完成品がこちらです。
なんとなく、良い感じになってきました。
次回はこれに焼き色を付けるとともに、ベーコンを入れていきたいと思います。
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