ブレッドナイフ(パン切包丁)を、ちょっとこだわって作ってみました。Vol.4 (くじら亭のミニチュアものづくり)
ついに4回目になったブレッドナイフ(パン切包丁)の作り方、今回で終わりです。
TOPの写真ですが、完成したブレッドナイフでバゲットを切っているところを作ってみました。
今回は、前回の記事でプラ板で作成したブレッドナイフの持ち手の部分の塗装を行います。
洋包丁では、鋲と呼ばれる、木と刃の部分を固定する金具が見えている部分が
良いアクセントになりますね。
ここを、どう表現するかで全体の出来も変わってしまいます。
今回は、2種類の再現方法を試してみました。
※ 当記事は、ミニチュアフードをご自分でお作りの方に、実際の作品の作る過程をネタに、ちょっとした(やや高度な)テクニックや道具・材料の紹介をしたいな、と思って書いています。基本的な道具や材料の使い方までは当記事ではお伝えできないので、ミニチュアフードを作ってみたい、作り方を知りたいと思っている方は、日本ミニチュアフード協会認定コース(基礎・応用)を受講されることをお勧めします。
目次
最初の方法は、マスキングテープを使う方法です。
最初の方法は、マスキングテープを使う方法です。
まずは、持ち手の部分全体をプラモデル用塗料であるタミヤカラーで銀色に塗ります。
そして、鋲の位置に、0.5mmの円で切り抜いたマスキングテープを貼り付けます。
円を切り抜くには、普通「ポンチ」を使いますよね。
私も、最初は、持っているものの中で一番小さい、
直径1.0mmのポンチを使ったのですが、スケール的に少し大きいのが気になってました。
0.5mmぐらいがちょうどいいんですが、とはいえ、直径0.5mmのポンチって売ってないので、
(売っていてもこれだけのために買うのもなぁ、っていうのも有って)、
シャープペンの先で切り抜いています。
100均(ダイソーですが)に行ったとき、
先の部分が引っ込まないシャープペンを売っていたので、
まとめ買いをしてしまいました。
その中で、0.5mmのシャープペンの先を金属用のやすりで尖らして、
カッティングマットに貼り付けたマスキングテープを
グリグリとしています。
そして、針でそっとはがして、取っ手の上に貼り付けています。
目立つところなので、等間隔で一直線になるように気を付けて!
ちなみに1.0mmと0.5mmの比較です。
ちなみに1.0mmと0.5mmの比較が下の写真です。
1.0mmだと、上のブレッドナイフのように、
鋲がオーバーサイズなので、持ち手の部分を少し大きくして、バランスをとっています。
円もちょっといびつになってしまってますね。
0.5mmだとちょうどいい感じです。
全体をタミヤカラーの茶色で塗装しました。
そして、全体をタミヤカラーの茶色で塗装しました。
鋲の部分を円形のマスキングテープで隠しておいて、
剥がしたら、円形の銀色が出現する予定です。
銀色と同様、筆で塗っています。
筆塗りなので、ちょっと厚塗りになってしまったのですが、
これが原因で、問題が起こってしまいました。
マスキングテープをはがすとき、塗装がめくれてしまいました。
マスキングテープをはがすとき、塗装がめくれてしまいました。
タミヤカラーはアクリル樹脂なので、
乾燥しても、膜がほんの少しだけ柔らかいんです。
プラモデル用塗料には、柔軟性が必要なんですね。
プラモデルの素材自体、弾力があるのですが、塗膜に柔軟性があると、
プラモデルを作るときに少し部品を曲げても、塗膜が追従してめくれなくなるからです。
しかも筆で塗ったので、塗装の膜が結構厚めになってしまいます。
そうなると、マスキングテープをはがすとき、
マスキングテープの上に塗っていた塗料だけが剥がれてほしいのですが、
マスキングテープの外に塗っていた塗料とつながってしまい、
くっついていってしまうことが有ります。
エアブラシでやると、塗装の膜がマスキングテープよりずっと薄くなるので、
マスキングテープの境目で塗装膜が離れるのですが、
筆塗りで厚くなると、つながってしまうんですね。
結果、下の写真の一番左の鋲の部分の茶色がめくれてしまいました。
マスキングテープでの塗り分けは、
筆塗にはあまり向いていないんですね。
面相筆で補正しました。
面相筆を使って、補正しました。
はがれた茶色の部分を塗り足したのと、ちょっとだけ木目を入れておきました。
ということで、一つ目の方法は終了です。
もう一つの方法は、キッチンテープを使うやり方です。
もう一つの方法は、キッチンテープを使うやり方です。
台所のステンレスシンクの隙間のところに貼る、キッチンテープを使います。
まず、持ち手の部分を茶色に塗ってしまいます。
そして、キッチンテープを、
マスキングテープを切り抜いたのと同じ、シャープペンの先を尖らしたもので軽くグリグリします。
あんまりグリグリして下の台紙まで切らない様にしてくださいね。
すると、円形のアルミ箔がシャープペンの先についてきますので、
針で掘り出して、取っ手の上に置きます。
そして、位置に注意して、平らなもので押さえつけます。
このぐらい面積が狭いと
アルミテープの粘着力ではほとんどくっつかないので、
この上にニスを塗るときに、
隙間に染み込ませてニスで接着してしまいます。
これが二つ目の方法です。
ということで、ブレッドナイフ完成です。
ということで、ブレッドナイフ完成です。
次回からは、ニスや絵具・塗料について、考えていきたいと思います。
日本ミニチュアフード協会認定コースでも、
最後にニスを塗りましょう!と教えていただいたニスですが、
なぜニスって必要なのか、
色々ある中で、どのニスが最適なのか、
って、あんまり考えないですよね。
ということで、次回からはニスや、その同類である絵具・塗料についていろいろ書いてみたいと思います。
私自身、化学のことは素人なので、専門的なことは判らないのですが、
私のわかる範囲で調べたり、実験したことを共有していきたいと思います。
写真は、色々実験するために作ったテストピースです。
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