パンを、ちょっとこだわって作ってみました。Vol.12 アンパン (くじら亭のミニチュアものづくり)

しばらく「ニス」にこだわっていましたが、今回は再び「パン」に戻りました。

今回取り上げたのは、日本オリジナルパンの代表「アンパン」です。

この「アンパン」、外見上はパンの上のゴマが特徴ですよね。
今回はこの「ゴマ」を中心に作っていきたいと思います。

ところで、アンパンて、なんでゴマが乗っているんでしょうね?
ゴマの食感がアンコの美味しさをより引き出すんでしょうかね。

※ 当記事は、ミニチュアフードをご自分でお作りの方に、実際の作品の作る過程をネタに、ちょっとした(やや高度な)テクニックや道具・材料の紹介をしたいな、と思って書いています。基本的な道具や材料の使い方までは当記事ではお伝えできないので、ミニチュアフードを作ってみたい、作り方を知りたいと思っている方は、日本ミニチュアフード協会認定コース(基礎・応用)を受講されることをお勧めします。

早速ゴマの抜型を作ります。

早速、ゴマの抜型を0.3mmのシャープペンシルで行います。

シャープペンシルで型抜きをするというのは、ミニチュア作家の田中智さんのYouTubeのお米の作り方で実施されていた方法です。
オリジナルをご覧になりたい方は、「【ミニチュア】プロが教える!~お米の作り方~」で検索してみてください。
お米では、0.5mmのシャープペンシルで型抜きをされていましたが、今回のゴマの場合は、0.3mmのシャープペンシルを使います。

型抜きに使うシャープペンですが、先の筒が金属製で動かないものが必要です。
最近のシャープペンは、先の筒がプラスチックだったり、
芯が折れることを防ぐために、芯と一緒に先の筒が引っ込むものが多いので、ご注意ください。
私は、ダイソーで偶然見かけたので、いくつかストックしています。

この、シャープペンの先を雫型に押しつぶすところまでは、オリジナルのアイデアと同じですが、
私の場合には、雫型のとがっている部分を、金属やすりで斜めに削っています。
横から見たら、下の写真の赤線のようになります。

以前お米を作ってみたら、しょっちゅうシャープペンシル側に粘土がくっついて行ってしまったので、
それを防ぐためにやっています。

その原理を、次に説明しますね。

端っこを削った理由です。

端っこを削った理由です。

通常のシャープペンは、下の絵の左のように、真っ直ぐですよね。
黄色が粘土だと思って下さい。
このシャープペンシルの先で粘土に型押しをすると、ほかの粘土と抜かれる部分が完全に分離します。
すると、粘土の抜かれた部分は、シャープペンシルの先についていってしまいます。
なので、絶妙な力加減で、完全に下まで降ろさずに型を付ける必要がありました。

これを、右半分のように、端っこ(雫のとがった部分)を斜めに削っておくと、
型押しをしても、一部が周りの粘土とつながっています。
すると、シャープペンシルを持ち上げたときに、抜かれた部分が残るようになるからです。

これでも、力の入れ加減でシャープペンシル側についていくことがありますが、
その回数は相当減りました。
ついて行ってしまった場合は、すぐに針で粘土を取り除きましょう。

続いてゴマ用の粘土を用意します。

続いてゴマ用の粘土を用意します。

まずは、白ごま用の粘土を作っています。
グレースのように、あまり引っ付かない粘土のほうが良いのですが、
手元になかったので、モデナにオリジナル粘土の「ふんわり焼き色」と「おもちホワイト」で着色したものを使用しました。

そして0.2mm程度の厚さに延ばします。

そして0.2mm程度の厚さに延ばします。

いつもの、両側にプラ板を置いて、クリアフォルダーで挟んで延ばすやり方です。

そして型を抜いていきます。

そして型を抜いていきます。

斜めに切り落とした部分の粘土が残るように、真っ直ぐ降ろしてまっすぐ引き上げてください。
ここで、グリグリやると、間違いなくシャープペンシルの先が詰まりますので。

この時、下の写真の様に、抜いた部分が隣接するようにした方が、後で外しやすいです。

こんな感じで引き裂いて、残ったゴマをピンセットでもぎり取っていきます。

こんな感じで引き裂きます。

隣接して型抜きをしていると、こんな感じに引き裂くことができます。
シャープペンシルの型の、斜めに削ってあった側にゴマが残りますので、
ピンセットで一つずつもぎり取っていきます。

白ゴマが出来上がりました。

白ゴマが出来上がりました。

0.2mm×0.4mmぐらいの大きさです。
息で飛んでいきそうです。
(息を吹きかけると飛んでいきます。(経験者談))

黒ゴマも作りました。

黒ゴマも作りました。

1円玉の上に置いてみたのですが、小ささが判りますでしょうか。

パンの焼き目を付けました。

パンの焼き目を付けました。

今回は、アンパンの焼き目を奇麗に付けたかったので、エアブラシを使いました。
エアブラシだと、上面の均等な焼き目も、側面のグラデーションも写真の様にうまくいくからです。

塗料は、クレオス社の「水性カラーアクリジョン」という水性カラーを使いました。
溶剤が水(+プラスチックになじむように少量の有機溶剤が入っています)のタイプです。
ニスの時にお話しした、エマルジョンの塗料です。
確かに、有機溶剤のにおいもなくて、安全性は高そうです。

結果は良好で、下の写真の様にいい感じで塗ることができました。

ゴマを接着して完成です。

ゴマを接着して完成です。

パン側に木工用接着剤をゴマ2~3個分塗って、その上にピンセットでゴマを置いていくという、
根気のいる作業の繰り返しです。
このサイズのゴマをつまむためには、そこそこ良いピンセットが必要ですね。
私が使っているのは、タミヤ社の精密ピンセット(ツル首タイプ)を使っています。長年使っていて手になじんでいます。

最後に水性ウレタンニスを薄く塗って完成です。

ちなみにアンパンの直径は約1cmです。
結構アンパンらしくできたと自分では思っています。

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