お菓子の箱を作ってみました。(くじら亭のミニチュアものづくり)

くじら亭です。こんにちは。
今回も、拙文を読んでいただきありがとうございます。

前回までで作成したジャックオランタンですが、結局ハロウィンに間に合いませんでしたね。
で、間に合わなかったついでにもう少しだけ工作をしました。
前回のTOPの写真を見ていただいてわかるとおり、ロリポップだけでは寂しいので、
「お菓子の箱」を作って追加しようと思います。

※ 当記事は、ミニチュアフードをご自分でお作りの方に、実際の作品の作る過程をネタに、ちょっとした(やや高度な)テクニックや道具・材料の紹介をしたいな、と思って書いています。基本的な道具や材料の使い方までは当記事ではお伝えできないので、ミニチュアフードを作ってみたい、作り方を知りたいと思っている方は、日本ミニチュアフード協会認定コース(基礎・応用)を受講されることをお勧めします。

まずはサンプルです。

まずはサンプルとして、「まみれさんの休日」を観察しました。
最近血糖値が高く、控える様にしているのですが、目の前にあると食べてしまいますよね。

それは置いといて、箱としてはやや厚めの紙で表面に光沢がありますので、それを表現していきたいと思います。

まずは、下絵を描きました。

まずは、下絵を描きました。

私は、デザイナー系では無いので、フォトショップやイラストレーターといったお絵かきソフトを持っていないので、仕事でとりあえず一番慣れているパワーポイントで描いてみました。

ワードやエクセルでも基本的に同じだと思いますが、箱の各面を展開した図を描くときに、四角の位置合わせに困りませんか。マウスではピッタリ重ねようとしても、微妙にずれてしまいますよね。私は、図のサイズや位置を数字で指定しています。マウスで大体の位置に持って行って、最後に端数を調整するのですが、四角同士がピッタリと並ぶので、マイクロソフト系をお使いの方にはお勧めです。

箱絵は、ハロウィンらしく描いてみました。パワーポイントではこれが限界ですが。

パワーポイントで印刷するときの注意点です。

パワーポイントで印刷するときの注意点です。

パワーポイントで印刷するとき、デフォルトではA4の用紙に「縁あり」で印刷してしまうので、図や文字がちょっとだけ縮小されてしまいますので、「用紙に合わせて拡大/縮小」のチェックを外す必要があります。
パワーポイントを使われる方はご注意ください。(あんまりおられないと思いますが)

まずは、インクジェットプリンター+普通紙で作ってみました。

まずは、インクジェットプリンター+普通紙で作ってみました。

手元のインクジェットプリンターに普通紙で印刷し、切り出しました。
折り目も細い線で印刷しています。

互換インクを使っていることが影響しているかどうか判りませんが、画面で見た感じと相当発色が違って、白けた感じの色になっています。

折り目が白っぽくなってしまいました。

折り目の部分を、折り癖を付けるために二つ折りにしてゴシゴシこすったら、白っぽくなってしまいました。
これはちょっとやりすぎでしたね。

ひとまず組み上げてみました。

ひとまず組み上げてみました。

やはり、発色の悪さが気になります。艶もないですしね。
後、折れ線はやっぱり変ですね。角が白っぽくなるのも気になるし。

ということで、少し材料ややり方を変えてみました。

折れ線を無くしてみました。

まずは、折れ線を無くしてみました。

折れ線の代わりに、折り目の位置を示すガイドを外側に引いておきます。
こうしたら、先にカットしてしまうと折れないので、折り目を付けてから余白をカットするという手順で作業していきます。

作業の前に、普通紙や写真用紙にこれを印刷して耐水性のテストをしてみますた。

インクジェット+普通紙の耐水性のテスト結果です。

まずは、インクジェット+普通紙の耐水性のテストをしてみました。

インクジェット+普通紙では艶がないので、ニス等を塗る必要があるのですが、水性ニスだとインクジェットのインクが溶け出すだろうと思っていました。
今回、気になったので、テストしたら驚きの結果が出ました。

下の写真の左上が印刷したオリジナルです。
試しに水を付けた筆でなぞったのが左下です。見事に溶け出してしまいました。
次が右上なのですが、水性ニスを薄めずにそのまま塗ったところ、全然溶け出しませんでした。水性ニスは溶剤が水なので、絶対溶け出すと思っていたので、結構意外でした。ミニチュアで紙類を使う際、表面の保護にTOPコートを使っていたのですが、水性ニスが使えることが分かったのは朗報です。水性ニスの方が表面が強いので、表面保護にはより適していると思っています。

右下はTOPコートです。全然問題なく表面はカバーできました。

水性ニス、TOPコートともにツヤは十分出ています。ただ、発色の悪さはそのままなので、発色を気にしないものだと、インクジェット+普通紙+水性ニスというのは手軽で良いですね。

なお、私の持っているインクジェットプリンターはエプソン製です。(しかも互換インク...)
機種によっては違う結果になる可能性もあることをあらかじめご了承くださいね。

インクジェット+写真用紙のテスト結果です。

発色を良くするため、インクジェット+写真用紙を試してみました。

写真用紙は全般的に厚いものが多く、それだとあとの工作がやりにくいので、極力薄いものを使います。
私は、紙厚0.15mmというのを見つけてきました。この位だと、工作がしやすいですね。

下の写真の左上が印刷したオリジナルですが、画面と同じ色が出ていますね。艶も有るし、良いですね。

普通紙と同じように、水を付けた筆でなぞったのが左下です。これもびっくりだったのですが、ほとんどインクが溶け出さないんですね。

右上の水性ニス、右下のTOPコートも問題なしでした。

インクジェット+写真用紙+水の結果のアップです。

インクジェット+写真用紙+水の結果のアップです。
少しにじんでいますが、この程度しか溶けないんですね。

ただ、これって写真用紙が水を吸収しているからの様なので、汚れ易いということでもあると思います。
ニスかトップコートでの表面の保護は必須ですね。

インクジェット+写真用紙+トップコートで工作を進めます。

インクジェット+写真用紙+トップコートで工作を進めます。

トップコートでも水性ニスでもどちらでも良さそうなので、スプレーで簡単にきれいに塗れるトップコートを使いました。

まずは、折り目のガイド線が縁の部分に接するように、切り出します。

スコヤを使って折り曲げます。

スコヤの様に、シャープな直角がついているもので折り曲げます。
金属の定規等は厚みがないので、押さえたときに定規の裏側との角の部分でもう一つ折り目が付くので向いていないです。

ガイド線の部分をスコヤの角に沿わせて、折り曲げていきます。こうやると折れ線がなくても狙ったところで折り曲げることができます。
また、この時90度以上曲げない様にします。90度以上曲げると、紙が割れてしまいます。

紙が割れてしまった例です。

下の写真が、180度曲げて紙が割れてしまった例です。

あんまり曲げると、角の部分が裂けて、下地が白く出てしまいます。

全部の折り曲げ部分に折り癖を付け終わりました。

全部の折り曲げ部分に折り癖を付け終わりました。

余白を切り取りました。

余白を切り取りました。

木工ボンドを使って組み立てました。

木工ボンドを使って組み立てました。

組み立てるときに、角を折り曲げすぎない様に注意してくださいね。
色つやも良く、折り目もシャープに出来上がったと思います。
この後、お菓子を追加して、ジャックオランタンに飾り付けたいと思います。

今回で、ハロウィンの準備は一旦中断して、後は来年のハロウィンに向けて、そのうちに続きを紹介しようと思います。

実は、以前記事にしたざる蕎麦なんですが、最近贈答用に量産(と言っても7個ですが)しています。
その中で以前説明したよりも簡単でうまい方法を見つけたり、ちょと違う作り方をしたりしています。
また、インスタでは、すのこの作り方等に興味を持ってもらいました。

折角なので、次回からは、ざる蕎麦量産モデルを作る際に発見した、改善後の作り方を書いていきたいと思います。

-------------------------------------------------------------------

前後の記事