ざる蕎麦をちょっとこだわって作ってみました Vol.6(くじら亭のミニチュアものづくり)

約2年前の2021年の1月位から5回の連載をした「ざる蕎麦」、今回訳有って同じものをいくつか作ってみました。
そこで、「あれ、こうやったらもっと簡単に/きれいにできるなぁ」と気づいたものがいくつかありました。
今回から数回にわたり、そのあたりを以前の「ざる蕎麦」改訂版として書いていきたいと思います。

※ 当記事は、ミニチュアフードをご自分でお作りの方に、実際の作品の作る過程をネタに、ちょっとした(やや高度な)テクニックや道具・材料の紹介をしたいな、と思って書いています。基本的な道具や材料の使い方までは当記事ではお伝えできないので、ミニチュアフードを作ってみたい、作り方を知りたいと思っている方は、日本ミニチュアフード協会認定コース(基礎・応用)を受講されることをお勧めします。

前回のざる蕎麦の記事です。

前回のざる蕎麦の記事です。
2021年の1月ですので、約2年前になります。

この時、「そばすだれ」を作っているのですが、ほぼ本物と同じ作り方をしています。
竹の板(紙やプラ板で作ったのですが)に糸を巻きつけていくのですが、竹の板の位置決めと糸の巻き付けを同時にやらなければいけないので、結構難易度が高かった様です。

同じものを作ろうとしたけどできなかったという声もお伺いしました。
そこで今回は、竹の板の位置決めと糸の巻き付けを別々にすることで、少し簡単にできる様にしました。

材料は、やや厚めの紙です。

材料は、やや厚めの紙です。

包装用品の専門店で買った、POPやメニュー用の無地カードというのを使っています。
計ってみたら厚さ0.28mmでした。
この位の厚みがちょうどいいですね。
これより薄いと加工している最中に曲がったりしてしまいますし、厚いと加工がしにくくなります。

設計図を書いてみました。

設計図を書いてみました。

今回は、竹の板を黒い紙に貼り付けて固定する方法をとります。
黒い紙が竹の板の隙間からかすかに見える(必死になってみれば)のですが、全く気になりません。
しかもその上に「そば」を置くので、ほとんど隠れてしまいますし。

あと、竹の板は、前回は最初に22mm幅で切り出していたのですが、今回は長めのものを貼り付けて最後にまとめて切りそろえることにしました。
これにより、竹の板の長さをそろえるのも楽になります。
なお、竹の板と竹の板の隙間は0.3mm、板に入っている格子は1mmの四角です。

下の設計図の赤枠内が「すだれ」として使う部分です。

まずは、土台となる黒い紙を固定します。

まずは、土台となる黒い紙を固定します。

長さ4cm程度、幅は4mmです。
これを両面テープで固定します。間隔は、設計図を参考に、
1番目と2番目、3番目と4番目の間隔は3mm、2番目と3番目の間隔は4mmです。

スコヤを使って、カッティングマットの縁と垂直になるようにして、平行に貼り付けています。

すだれの板を切り出していきます。

すだれの板を切り出していきます。

スコヤと金属製の定規を活用します。
金属定規の目盛りの部分が溝になっているので、そこにカッターを当てて、カッターにスコヤを沿わせます。
そうすることで、ほぼ正確に1mm(両端は2mm)幅の板を切り出すことができます。

今回は、前回よりも長めの4cm程度に切っています。

設計図を見ていただければわかるのですが、前回は最初からすのこの幅と同じ22mmで切っていたのですが、端の長さをそろえるのが結構大変でした。
今回は設計図通り、長めに作っておいて、全部貼ってから端を切りそろえます。
こうすると、よりきれいに揃います。

すだれの板が切れたら、マドラー等に固定して着色準備をします。

すだれの板が切れたら、マドラー(100均で売っている木製マドラーです。割り箸でも、段ボールでもOK)に両面テープで固定して着色準備をします。

マドラーの間隔は22mm以上あけておきます。

いろんな色で着色します。

いろんな色で着色します。

ベースはパンの生地色とふんわり焼き色を混ぜたものです。
ベースを全体に塗って、ごく薄めた黄土色、若草色、若芽色あたりを何枚かずつに塗りわけてあります。
微妙に違う色で着色することで、自然な感じになります。
といっても、そんなに違ってなくてもよくて、よく見ると1枚1枚ちょっとずつ色が違うというぐらいで充分です。

そして、黒い紙に貼っていきます。

そして、黒い紙に貼っていきます。

この時、板と板の間隔を正確にするため、0.3mmの真鍮棒を間に挟みます。
手前の板を置いたら0.3mmの真鍮棒を置いて、その先にちょっとだけ接着剤を付けます。
0.3mmというのは、後で取り付ける糸の太さ+αぐらいです。
糸の太さに合わせて調整してみください。

真鍮棒を挟んで、次の板を貼り付けます。

真鍮棒を挟んで、次の板を貼り付けます。

こうすることで、0.3mmのほぼ正確な隙間を付けることができます。

この方法、以前見たことあるな、と思われた方は、「くじら亭のミニチュアものづくり」を良く読まれている方です。
以前、パンの展示用すのこを作った時も、間に木の棒を挟んでいました。
一応下にリンクを付けておきますね。

結構応用が効くので、「均等な隙間で並べる」時には、思い出してみてください。

最後まで、板を取り付け終わりました。

最後まで、板を取り付け終わりました。

以前紹介した方法よりも、簡単に、均等できれいに作ることができると思います。

次回は、これを糸で編んでいく工程を紹介します。

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