バウムクーヘンを作ってみました Vol.7(くじら亭のミニチュアものづくり)

前回、うまくいかなかった「フォーク」の制作ですが、今回こそは完成させたいと思います。

今回試したのは、鉄筋コンクリートのミニチュア版(ちょっとオーバー)です。
前回良いところまで行ったエポキシパテですが、引っ張り方向の力に弱いので曲げるとすぐにポキッと折れてしまいます。これを補うために、金属を入れて補強してみました。
これは、コンクリート(引っ張り方向の力に弱い)に鉄筋を入れるのと同じ理屈(説明しきれないのですが多分)です。

ということで、早速作っていきたいと思います。

※ 当記事は、ミニチュアフードをご自分でお作りの方に、実際の作品の作る過程をネタに、ちょっとした(やや高度な)テクニックや道具・材料の紹介をしたいな、と思って書いています。基本的な道具や材料の使い方までは当記事ではお伝えできないので、ミニチュアフードを作ってみたい、作り方を知りたいと思っている方は、日本ミニチュアフード協会認定コース(基礎・応用)を受講されることをお勧めします。

まずは、金属線を用意します。

まずは、金属線を用意します。

今回使ったのは、ジャックオランタンを作った時に使ったリード線です。
この芯の部分の銅線を利用しました。皮膜の中の銅線は1本ではなく、10本ぐらいの銅線が束になって入っているので、1本だけだと非常に細いんですね。
取り出してみると、写真の様に爪の部分より細いので、爪の部分の補強にも使えることが判ります。

どこを補強するかわかるように、型に入れたエポキシパテの上に金属線を置きました。

どこを補強するかわかるように、型に入れたエポキシパテの上に金属線を置きました。

このまま中に沈めて補強材とします。これで、爪の部分から、フォークの末端まで補強できます。

エポキシパテは、元々がエポキシ系の接着剤で、金属にも強力に接着します。なので、この組み合わせは、ポロッと剥がれたりしないので、結構良いと思います。
銅線は柔らかくて加工もしやすいのも良いですね。

金属線を完全に埋め込みました。

金属線を完全に埋め込みました。

ところで、簡単に曲がる銅線で補強になるのか疑問に思われる方もいるかもしれません。
以下は私の推測です。
エポキシパテは、引っ張り方向の力に弱いのですが、銅線(金属線全般ですが)は引っ張り方向に強いんですね。銅線は両側を持って引っ張っても、なかなか千切れないですよね。
これは、鉄筋コンクリートと同様に、エポキシパテと銅線で弱い部分を補い合っているのだと思っています。

1日置いて完全に固まったら取り出します。

1日置いて完全に固まったら取り出します。

ところどころ金属線が透けていますね。
これを、紙やすりできれいに削っていきます。

削ってサーフェーサーを吹いた状態です。

削ってサーフェーサーを吹いた状態です。

途中で折れることなく削ることができました。金属線の補強、大成功でした。

プラモデル用の銀色塗料をスプレーしました。

プラモデル用の銀色塗料をスプレーしました。

結構良い感じに仕上がりました。

同じことを、光硬化パテでも実施してみました。

同じことを、光硬化パテでも実施してみました。

先に、銅線を型の中に入れておいて、光硬化パテを充填してみました。

金属線の境目で折れてしまいました。

削り終わったので取り出そうとしたら、金属線の境目で折れてしまいました。

これは、想定どおりでした。
エポキシパテと違い、光硬化パテは金属との接着力が弱いので、銅線の端っこの部分で取れてしまったようです。

続いてプラリペアを試してみます。

続いてプラリペアを試してみます。

金属線の補強なしでどこまで使えるか、実験してみました。
まずは、白い粉をブルーミックス型の中に詰め込みます。

次に混合用リキッドをスポイトで垂らします。

次に混合用リキッドをスポイトで垂らします。

すごい勢いで粉末の中に吸い込まれていきます。
そして、結構強烈な匂いがします。換気設備は必須ですね。

1日放置して固まった状態です。

1日放置して固まった状態です。

エポキシパテ等と同じく、この状態で表面を削っておきます。

削り終わって型から取り出して、紙やすりで成形しました。

削り終わって型から取り出して、紙やすりで成形しました。

最新の注意を払う必要がありますが、エポキシパテよりも粘りのようなものがあるのか、最後まで折れることは有りませんでした。

仕上げるためにサーフェーサーを塗ったら曲がってしまいました。

仕上げるためにサーフェーサーを塗ったら曲がってしまいました。

最後の最後で失敗してしまいました。
サーフェーサーの溶剤に溶けたようなのですが、樹脂自身が多孔質で溶剤が染み込みやすいのかもしれません。

「エポキシパテ+金属補強」でフォークは作れるようになったので目標は達成したのと、結構強いにおいが私にはきついことも有り、プラリペアの実験はここまでにします。

ということで、今回は「エポキシパテ+金属補強」でやっとフォークを完成させました。
いやぁ、大変でした。

次回からは、バウムクーヘンのホールを(以前の記事よりも)簡単に作る方法に入っていきたいと思います。

前後の記事