バウムクーヘンを作ってみました Vol.8(くじら亭のミニチュアものづくり)

前回まででフォークができたので、今回からバウムクーヘンに戻ります。
今回は、ホールのバウムクーヘンを、以前より簡単にしかもきれいに作る方法を思いついたので紹介します。
過去に紹介したバウムクーヘンの作り方は、層を巻くたびに粘土を伸ばして乾かないうちに巻き付けるというやり方だったので、結構時間に追われるのと、毎回粘土を伸ばすので、厚みが微妙に違ったり、つなぎ目がうまくいかなかったりしていました。
今回は粘土をまとめて伸ばして、乾かした後の粘土を巻き付ける方法にしてみました。

※ 当記事は、ミニチュアフードをご自分でお作りの方に、実際の作品の作る過程をネタに、ちょっとした(やや高度な)テクニックや道具・材料の紹介をしたいな、と思って書いています。基本的な道具や材料の使い方までは当記事ではお伝えできないので、ミニチュアフードを作ってみたい、作り方を知りたいと思っている方は、日本ミニチュアフード協会認定コース(基礎・応用)を受講されることをお勧めします。

まずは1層目を巻いていきます。

まず、心棒は、6mmの木の丸棒にクッキングシートを巻き付けて、端っこをマスキングテープで固定したものです。これは、以前の作り方と同じです。

生地は、0.4mm厚程度に伸ばした樹脂粘土(モデナ)を使います。
幅6cm程度、長さは全部の層を作ると60cm位必要です。生地は最初にまとめて作ってしまい、各層に分けて巻いていきます。

まずは1層目を巻いていきます。
2層目以降は、前の層に接着していくのですが、1層目は心棒に接着すると抜けなくなってしまうので、輪にします。
そのため、1層目の粘土を写真の様に少し長めにカットして、重なった部分で接着します。

重なった部分を斜めに削っておきます。

下の写真の様に、重なった部分を斜めに削っておきます。
これは、接着部分の強度を上げるためです。

下の写真でいうと、Aの様に切れ目同士をそのまま接着したら接着面積が狭いので、引き離されやすくなります。
これに対してBの様に斜めにしておくと、接着面積が広くなるのと、接着面に対する引っ張り力の方向が接着面と斜めになるので、強度が上がります。
あと、紙やすりで表面が荒れる(凸凹になる)ので接着剤が浸透しやすくなり、より強度が上がります。

接着する両端ではなく、片側だけを斜めに削って、削った方を心棒に沿わせて巻いていきます。

斜めに削った部分に接着剤を塗って、そこが重なるようにして巻きます。

斜めに削った部分に接着剤を塗って、そこが重なるようにして巻きます。
斜めに削った端が心棒側に、削っていない方が外側に来ます。

接着剤が乾くまで、クッキングシートを巻き付けて固定しておきます。

乾いたら、外側を削って、最後に焼き色を塗ります。

乾いたら外側になった生地を削って、きれいな円にしておきます。

最初から両側を斜めに削っておけばと思われるかもしれないのですが、そうしなかったのは粘土が微妙に伸びたりするので、ぴったり合わせるのが難しいからなんです。
斜めに削った部分を内側にして固定してから、削っていない外側を奇麗な円になるように削る方が、簡単に仕上げることができます。

奇麗に削れたら、焼き色を塗って乾かします。

残りの生地にも焼き色を塗っておきます。

残りの生地にも焼き色を塗っておきます。

1層目は円にしてから焼き色を付けましたが、これは先に焼き色を先に塗ってしまうと、合わせ目の部分がうまくいかないからなんです。
2層目以降は合わせ目の処理が違うので、先に焼き色を塗っておいても大丈夫です。

2層目以降は、生地をちょっと短めにカットします。

2層目以降は、生地をちょっと短めにカットします。

焼き色を付けた生地を巻き付けて、ちょっと足りない位置に印をつけます。
この印を目印に、カットしておきます。

巻き付けて確認します。

巻き付けて重なる部分が無いか確認します。

写真は、撮影用にマスキングテープで巻き付けています。

2層目の生地を1層目に貼り付けます。

2層目の生地の裏側に、水で薄めた木工用ボンドを塗って1層目に貼り付けます。

端っこから順に、隙間ができない様に押さえていきます。
全体を張り付けた後は、はがれて隙間ができない様に、全体にクッキングシートを巻き付けて、養生テープで固定しています。

写真は間の工程が一気に飛んでしまっていますが(写真を撮り忘れたな!とか言わないでくださいね)、最後の養生テープで固定している様子です。

隙間を粘土で埋めておきます。

生地はわずかに隙間ができますので、粘土で埋めておきます。

なお、生地を巻く際は、下の写真の様に、心棒に印(写真だと青色の油性ペンで書いています)を付けて、この位置に隙間が来るようにしておきます。
理由は、次回に説明しますね。

隙間を埋めた粘土に焼き色を付けたら2層目の完成です。

隙間を埋めた粘土に焼き色を付けたら2層目の完成です。

10層巻き終わりました。

下の写真は、10層巻き終わった状態です。

大きさ的にちょうどいい感じになったので、これで終了します。

最後にフォンダンをコーティングします。

最後に周りのフォンダンをコーティングします。

これで、ホールのバウムクーヘンが焼きあがりです。
次回は、このバウムクーヘンをカットしていきたいと思います。

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