バウムクーヘンを作ってみました Vol.9(くじら亭のミニチュアものづくり)

今回は、前週に作成したホールのバウムクーヘンをカットしていきます。
以前は、道具を使ったカット法を紹介したのですが、今回はもっと簡単にカットする方法を思いついたので紹介します。

では早速切っていきましょう!

※ 当記事は、ミニチュアフードをご自分でお作りの方に、実際の作品の作る過程をネタに、ちょっとした(やや高度な)テクニックや道具・材料の紹介をしたいな、と思って書いています。基本的な道具や材料の使い方までは当記事ではお伝えできないので、ミニチュアフードを作ってみたい、作り方を知りたいと思っている方は、日本ミニチュアフード協会認定コース(基礎・応用)を受講されることをお勧めします。

道具の代わりにマスキングテープを使います。

今回は、道具の代わりにマスキングテープを使います。

どのようにやるかというと、マスキングテープを、「バウムクーヘンの切りたい厚み」の幅に切って、裏向き(粘着面を上にして)にしてカッティングマットの上に置きます。この時、目盛りと平行にしておきます。そして、本で箱でもなんでもいいので、下の写真の様に、マスキングテープと平行におきます。(下の写真は「タミヤ模型の仕事」という本を使っています)

そして、バウムクーヘンの端を本に沿わせて転がして、マスキングテープを巻き付けていきます。

参考までに、以前の記事のLINKも載せておきます。

マスキングテープがきれいに巻き付きました。

マスキングテープが心棒と垂直に、きれいに巻き付きました。

カットする隙間を空けて、同じことを繰り返していきます。

カットする隙間を空けて、同じことを繰り返していき、下の写真の様な状態にします。

隙間の部分をカッターでカットしていきます。

隙間の部分を、マスキングテープの部分を切らない様に、カッターでカットしていきます。
一気に切ろうとせずに、バウムクーヘンを回しながら切っていく方がうまくいくようです。
写真を見ると少し段差ができてしまっていますが、この位は大丈夫です。

紙やすりの上で切断面を平らにします。

切断面に段差や波ができてしまうので、紙やすりで平らにします。
写真の様に、紙やすりの上でバウムクーヘンを動かすようにするときれいな面になります。

生地の接続部分を1/8程度カットします。

生地の接続部分を1/8程度カットします。

前回の記事で、生地の接続部分(=生地の隙間)は粘土を後から埋め込んで、完全に乾く前に焼き目を付けていました。なので、まだ完全に乾いていない粘土に焼き色が染み込みやすいんです。
前回の記事で説明した様に、軸に印をつけた所で生地をつなげる様にすることで、接続部分を一か所に集めています。

その部分を、下の写真の様にカットしてしまいます。

別の部分から、きれいな1/8カットを持ってきます。

別の部分から、きれいな1/8カットを持ってきます。

こうすることで、1周全部がきれいに見えますよね。
このやり方は、今回の様にこの1/8のカット部分を(フォークで持ち上げて)浮かすようにしているのでできる技です。

ホールをカットせずに見せる場合には、接続部分に焼け目を付ける際、丸一日程度置いて粘土が完全に乾いてから焼き目を塗るようにしてください。

全体に質感を付けておきます。

全体に質感を付けておきます。

バウムクーヘンは、パンほど気泡が無いので、ところどころ針で突っつくだけにして、最後に全体的に紙やすりで毛羽立たせています。

カット部分を固定して、フォークを差し込んで完成です。

カット部分を固定して、フォークを差し込んで完成です。

カット部分と本体の固定ですが、木工用ボンドだけだとちょっと強度的に心配だったので、ピアノ線を仕込んでいます。
カット側と、本体側に0.5mmのドリルで穴を開け、ピアノ線を通しています。
フォークも、突き刺す部分に0.5mmのドリルで穴を開けておいて、木工用ボンドを付けたフォークを刺しています。

これでホールのバウムクーヘンの完成です。

次回からは、再びざる蕎麦に戻って、前回は簡単にしか説明しなかった、「そば猪口」の作り方を説明したいと思います。
以前の作り方とは異なり、原型の作り方や、原型からの型の作り方等、結構参考にしていただけることが多いと思いますので、ご期待ください。

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