そば徳利を作ってみました。 Vol.3(くじら亭のミニチュアものづくり)

今回も、そば徳利を作っていきます。

前回、2分割の原型の複写ができたので、今回はこれのブルーミックス型を作っていきます。
ブルーミックスで型を取るとき、原型の片面が平面だと簡単に作業できるのですが、今回のそば徳利の様に(注ぎ口があるので)両面が平面でない場合には少しテクニックが必要になります。
今回は、その方法を中心に説明します。

※ 当記事は、ミニチュアフードをご自分でお作りの方に、実際の作品の作る過程をネタに、ちょっとした(やや高度な)テクニックや道具・材料の紹介をしたいな、と思って書いています。基本的な道具や材料の使い方までは当記事ではお伝えできないので、ミニチュアフードを作ってみたい、作り方を知りたいと思っている方は、日本ミニチュアフード協会認定コース(基礎・応用)を受講されることをお勧めします。

原型の内側にブルーミックスを押し込みます。

原型の内側にブルーミックスを押し込みます。

素早く、少しあふれるぐらいにブルーミックスを押し込みます。

ブルーミックスが固まる前に、平らな面にギュッと押し付けます。

ブルーミックスが固まる前に、平らな面にギュッと押し付けます。
はみ出た部分は、写真の様に、注ぎ口全体を覆うようにします。

ここまでの作業は結構手早くやる必要があります。

注ぎ口に沿ってブルーミックスをカットします。

写真の様に、注ぎ口に沿ってブルーミックスをカットします。

ブルーミックスは原型を傷つけない様に、原型から取り出してカットしています。
時々、原型とすり合わせて、切りすぎない様に注意しています。

また、カットする時、二つの形をそろえない様にしています。
後ろの原型のブルーミックスは、少しへこんだ部分を付けているのが判りますか?
これは、この後ブルーミックスでそれぞれの外側の型を取るのですが、外側と内側の組み合わせが判るようにするためです。

ブルーミックス型をプラモデル用塗料で塗装します。

ブルーミックス型(の、原型からはみ出ている部分)をプラモデル用塗料で塗装します。

この後でブルーミックスで外側から型を取るのですが、これをしておかないと外側のブルーミックスと内側のブルーミックスが引っ付いてしまって、原型が取り出せなくなってしまいます。

クレオス社のシリコンバリアという製品も有るのですが、めったに使わないのに買うのはもったいないのと、塗料の方がブルーミックスのはみ出ている部分を完全にカバーできているか確認がしやすいので、私はプラモデル用塗料を使っています。アクリル絵具でも可能だと思います。(私はやったことが無いのですが...)

原型と内側のブルーミック型の隙間が無いように、両面テープに貼り付けます。

原型と内側のブルーミック型の隙間が無いように、押さえつけながら、両面テープに貼り付けます。

上からブルーミックスで覆って型を取ります。

上からブルーミックスで覆って型を取ります。

ブルーミックスが固まったので、取り出した状態です。

ブルーミックスが固まったので、取り出した状態です。

ブルーミックス同士だとくっついてしまうのですが、このように塗料を塗っておくときれいに剥がれます。
この後、塗料は薄め液で落としておきます。

外側と内側のブルーミックス型を合わせた後、隙間に粘土を押し込みます。

外側と内側のブルーミックス型を合わせた後、隙間に石粉粘土を押し込みます。

この時、外側と内側のブルーミックス型に隙間ができない様に押さえながら、石粉粘土をギュっと押し込みます。

丸一日乾かして取り出したところです。

丸一日乾かして取り出したところです。

真ん中あたりがまだ乾いていないので、この状態でもう一日ぐらい乾かします。

前と後ろがほぼピッタリ合わさるように、合わせ目を削ります。

前と後ろがほぼピッタリ合わさるように、合わせ目を削ります。

多少の隙間があっても、この後の工程で埋めることができるのですが、上から見たときに楕円形になってしまうと修正ができないので、全体の形に注意して削ってください。

前と後を、水で柔らかくした石粉粘土で接着します。

前と後を、水で柔らかくした石粉粘土で接着します。

この時、まず合わせ目に水を塗っておいて、それから水で柔らかくした石粉粘土を塗って合わせます。
合わせ目に水を塗ることで、合わせ目がなじみやすくなります。
接着するのに、木工用ボンドではなく石粉粘土を使うのは、多少の隙間を埋めることができるからです。

前後をギュッと押し付けます。

前後をギュッと押し付けます。

石粉粘土が隙間からあふれて、隙間が埋まるのですが、埋まり切らなかった隙間は石粉粘土で追加で埋めておきます。

埋め終わったら、再び丸1日乾燥させます。

はみ出た石粉粘土を削ります。

はみ出た石粉粘土を削ります。

側面のなだらかな曲面部分は紙やすりで削ります。
口の部分は、タミヤの「電動リューター用 ビット5本」を使って手で(リューターを使わずに)削ります。
タミヤのビットの切削力が石粉粘土にはちょうど良くて、手で削っても十分削れます。

最後に全体をスポンジやすりで削って仕上げます。

最後に全体をスポンジやすり(#600程度)で削って仕上げます。

この状態で全体の形は整ったのですが、少し毛羽立ちがあるので、次回は毛羽立ちを押さえて塗装していきます。

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