スフォリアテッラを作ってみました Vol.3(くじら亭のミニチュアものづくり)

前回の記事で、「粉砂糖を固着させるのにすごく苦労をした」と書きました。

タルトやケーキを作った時は、ベビーパウダーを振りかけてMr.カラーのクリアをエアブラシで振って固着させていたのですが、今回のスフォリアテッラに同じことをすると、ベビーパウダーが微妙にヒダの奥に流れてしまい、うまくいきませんでした。
クリアを吹き付けた際に一瞬溶け出して、すぐに固まるので、平らな面に振っている場合にはその場でとどまるのですが、スフォリアテッラの様な形状の場合、固まるまでの一瞬で流れてしまうようです。
スフォリアテッラに粉砂糖を振る際には、粉砂糖の素材自体にある程度の粘りがないとダメの様なので、ベビーパウダー以外の粘りがありそうな素材で色々試してみました。

※ 当記事は、ミニチュアフードをご自分でお作りの方に、実際の作品の作る過程をネタに、ちょっとした(やや高度な)テクニックや道具・材料の紹介をしたいな、と思って書いています。基本的な道具や材料の使い方までは当記事ではお伝えできないので、ミニチュアフードを作ってみたい、作り方を知りたいと思っている方は、日本ミニチュアフード協会認定コース(基礎・応用)を受講されることをお勧めします。

いろんな素材をテストしてみました。

いろんな素材をテストしてみました。

1.ベビーパウダー:比較対象として、エントリーしてもらいました。
2.石粉粘土(をおろし金で削ったもの):石粉粘土は水を含ませると固まる性質が有るので、使えないかとテストしてみました。
3.ウェザリングマスター(タミヤ):ウェザリングマスターは、おなじみ「焼き色の達人」の元となった製品で、プラモデルの汚れやさびを表現するシリーズです。その内、「雪」をテストしてみました。
4.ウェザリングスティック(タミヤ):ウエザリングマスターのスティックタイプです。柔らかいクレヨンの様な感じです。

それぞれ、スフォリアテッラにその素材を振りかけて、雰囲気を確認しました。

まずは、ベビーパウダーを振りかけます。

まずは、ベビーパウダーを振りかけます。

100均で買ったふるいを使います。

良い感じで粉砂糖感が出ています。

良い感じで粉砂糖感が出ています。

このまま固着してくれればこれが一番いいのですが。

次に石粉粘土です。

次に石粉粘土です。

ベビーパウダーの場合は、クリア等をエアブラシで振って固める必要があるのですが、石粉粘土は、水を吹きかけると固まってしまいます。
なので、石粉粘土をおろし金(極力細かい物)ですりおろして、ふるいにかけて振りかけてみます。

少し粗目になってしまいました。

少し粗目になってしまいました。

スフォリアテッラの縮尺が小さいので、石粉粘土だとちょっと粗すぎですね。
細かい水を振りかけると(私はエアブラシを少し離して振りかけてます)そのまま固まるので、これ以外の場面で結構使える素材です。

次は、ウェザリングマスターです

次は、ウェザリングマスターです

のぞき窓がハートで無い以外は、「焼き色の達人」とそっくりですが、こちらが元祖です。
このうちのBセットに「スノー」という色が有るので、それを使ってみます。

塗り方は、「焼き色の達人」と同じです。

粉砂糖に見えないですね。

粉砂糖に見えないですね。

ウェザリングマスターは、うっすら積もった「雪」の表現にはちょうどいいのですが、そのため半透明の白色なので砂糖らしく見えないですね。これは、却下。

最後が、ウェザリングスティックです

最後が、ウェザリングスティックです

これもタミヤの製品です。これも汚れや雪を再現するものなのですが、ウェザリングマスターがうっすらとした汚れやグラデーションが表現できるのに対して、泥汚れの様にしっかりした汚れを表現するのに使われます。
柔らかいクレヨンの様な感じです。このシリーズに「スノー」というシリーズが有るので、それを使ってみます。

ベタッと塗るのではなく、トントンとしてちょっとずつ付けていくような感じで塗ってみました。

思ったよりも良い感じです。

思ったよりも良い感じです。

粉砂糖の粉の感じは無いのですが、砂糖を置きたいところに狙って置けるのが非常に良いですね。
アイシングでも活用できそうです。

固着させるテストをしました。

粉砂糖を振った感じではベビーパウダーが1番いい感じ、2番目にウェザリングスティックという感じでした。

このまま作品になれば良いのですが、触ったら取れてしまう状態だとアクセサリーや置物にできないので、固着させる必要があります。

そのため、どのように固着するのが一番良いのかをテストをしました。テスト方法はプラモデルを作る方が良くやる以下のような方法です。
市販のプラスティックスプーンにオリジナル絵の具のふんわり焼き色を塗ったものを実験台にして、実際にベビーパウダーとウェザリングスティックを振りかけ、その上にクリアを何種類かエアブラシ等で上塗りをして固着させてみました。

結果は、私も予想しなかった現象等が起こって結構面白かったです。
詳細は次回にご紹介します。

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