スフォリアテッラを作ってみました Vol.4(くじら亭のミニチュアものづくり)

4回にわたって書いてきたスフォリアテッラ、今回が最終です。

前回の記事では、粉砂糖を振った感じではベビーパウダーが1番、2番目にウェザリングスティックでした。
このままだと、触ったら取れてしまう状態なので、そのままではアクセサリーや置物にはできません。

今回は、どのように固着するのが一番良いのかをテストをしました。
テスト方法は、市販のプラスティックスプーンにオリジナル絵の具のふんわり焼き色を塗ったものを実験台にして、実際にベビーパウダーとウェザリングスティックを振りかけ、その上にクリアを何種類かエアブラシ等で上塗りをして固着させてみました。

※ 当記事は、ミニチュアフードをご自分でお作りの方に、実際の作品の作る過程をネタに、ちょっとした(やや高度な)テクニックや道具・材料の紹介をしたいな、と思って書いています。基本的な道具や材料の使い方までは当記事ではお伝えできないので、ミニチュアフードを作ってみたい、作り方を知りたいと思っている方は、日本ミニチュアフード協会認定コース(基礎・応用)を受講されることをお勧めします。

今回実験したクリア3種です。

前に並んでいるのが、市販のプラスティックスプーンにオリジナル絵の具のふんわり焼き色を塗ったもの。

後ろが今回テストした各種クリア塗料です。筆塗りはできないので、スプレーまたはエアブラシ塗装ができるものを集めています。ニスはスプレーできないので対象外です。クリアはすべてクレオス社の製品になってしまいました。左から、MR.カラー、トップコート、アクリジョンで、主な塗料の種類はカバーしているかと思います。

MR.カラーは、俗にラッカー系と呼ばれる溶剤系の塗料で、タミヤ社のラッカー塗料やタミヤスプレー、クレオス社のMr.カラースプレーも同じ種類です。
トップコートは、水溶性の溶剤系塗料で、クレオス社の水性ホビーカラー、タミヤのアクリル塗料ミニも同じ種類です。
アクリジョンは、水性のエマルジョン塗料で、アクリル絵の具もこの仲間です。

MR.カラーとアクリジョンはエアブラシで、トップコートは缶スプレーで吹き付けています。

まずはベビーパウダーを実験します。

まずはベビーパウダーを実験します。

スプーンの上にベビーパウダーを振りかけた状態です。

マジックで書いている記号は、BPはベビーパウダーの略、Lはラッカー系、Tはトップコート、Aはアクリジョンです。

クリアを吹き付けてみました。

クリアを吹き付けてみました。

L:ラッカー系は、結構粉の感じが無くなってしまいました。これは流れていったのではなく、ベビーパウダーの隙間にクリアが入り込んで光の乱反射を減らしたため、白く見えていた粉が透明になってしまったためだと思います。
ちょうど、雪が溶けた様なものですね。雪が白く見えるのは、分子の隙間に空気が入っていて光を乱反射させるからなのですが、溶けると透明になるのと同じ現象だと思います。
これにはちょっとびっくりです。

T:トップコートは一部の粉がダマになっていますが、大きな変化は有りませんでした。
エアブラシをお持ちでない場合には、トップコート1択になってしまいますが、この感じだと十分他のミニチュアフードでも十分使えると思いますので、ぜひ活用してください。

A:アクリジョンが一番変化はなくそのままの状態で固まりました。

次はウェザリングスティックです。

次はウェザリングスティックです。

WSはウェザリングスティックの略です。
ウェザリングスティックを、スプーンの上に塗りつけています。

クリアを吹き付けてみました。

クリアを吹き付けてみました。

予想どおりだったのですが、L:ラッカー系、T:トップコート、A:アクリジョンともに変化なしでした

前回作ったサンプルにアクリジョンを吹き付けてみました。

前回作ったサンプルにアクリジョンを吹き付けてみました。

スプーンだとほとんど変化なしだったアクリジョンですが、スフォリアテッラのヒダヒダは強敵でした。
ベビーパウダーや石粉粘土は結構流れてしまいました。少し残りましたが、ヒダの奥の方へ引きずり込まれて見えなくなってしまいました。

ウェザリングマスターやウェザリングスティックは変化なしでした。

最終的には、ウェザリングスティック+ベビーパウダーで作成しました。

最終的には、ウェザリングスティック+ベビーパウダーで作成しました。

狙いとしては、ウェザリングスティックでヒダヒダの先端部を白くして、その上にベビーパウダーを振ることで粉感を出そうとしています。

まずは、ウェザリングスティックをヒダヒダの先の部分に塗りつけました。

ウェザリングスティックを塗った上からベビーパウダーを振りかけました。

ウェザリングスティックを塗った上からベビーパウダーを振りかけました。

流れていくことを考えてちょっと多めに振りかけています。

アクリジョンを振った後、水性ニスを塗った状態です。

アクリジョンを振った後、水性ニスを塗った状態が下の写真です。

ベビーパウダーはほとんど流れていますが、少し粉感が出たように思います。
ニスを塗ったので、アクセサリーや置物にしても大丈夫ですね。

最後にカフェラテを淹れて飾ってみました。

最後にカフェラテを淹れて飾ってみました。

ちょっとラテアートでおしゃれにしたつもりです。
ということで、スフォリアテッラは今回で完成です。

次回からは、フルーツタルトを作ろうと思っています。
タルト台やいろんなフルーツを奇麗かつ大量に(この大量に!が大事です)作る方法も説明したいと思います。

ご期待ください。

前後の記事