フルーツタルトを作ってみました Vol.3(くじら亭のミニチュアものづくり)

前回でタルト台を作ったので、今回はその上に飾るイチゴを作っていきます。

イチゴはそのまま赤く塗って使うことが多いと思いますが、それでイチゴタルトを作ると全体が真っ赤で、なんとなく単調な感じになることが有ります。
今回は、ちょっと変化を付けるために、TOPの写真の様にイチゴの種を黄色く塗り分けようと思います。

※ 当記事は、ミニチュアフードをご自分でお作りの方に、実際の作品の作る過程をネタに、ちょっとした(やや高度な)テクニックや道具・材料の紹介をしたいな、と思って書いています。基本的な道具や材料の使い方までは当記事ではお伝えできないので、ミニチュアフードを作ってみたい、作り方を知りたいと思っている方は、日本ミニチュアフード協会認定コース(基礎・応用)を受講されることをお勧めします。

まずはイチゴの型を作ります。

まずはイチゴの型をタミヤのエポキシパテで作ります。

台にしているのは5mm角のプラ棒です。イチゴの幅が4.5mm位です。
プラ棒を成形の台にすると、側面の種を付けやすいので、お試しください。

ちょっと大きさの変化を付けるために、原型を2つ作りました。

ちょっと大きさや形の変化を付けるために、原型を2つ作りました。

ブルーミックスで型取りしました。

ブルーミックスで型取りしました。

ブルーミックス型でイチゴを量産しました。

ブルーミックス型でイチゴを量産しました。

ブルーミックス型を4つ作って、何日かかけてこの位作ったのですが、イチゴタルト2台分ぐらいにしかなりません。
イチゴって、何個あっても困りませんよね。

全体をアクリジョンの赤で塗りましました。

全体をアクリジョンの赤で塗りましました。

この後、この上に種の色を塗って余分な部分をはがす、ということをするのですが、その時に塗膜が弱いと種の色と一緒にはがれてしまうので、塗膜の強い塗料で塗る必要があります。その点アクリジョンは、プラモデル用の塗料の中でも比較的塗膜が強いので、アクリジョンで塗装しました。

種は黄土色に塗っていこうと思います。

種は黄土色に塗っていこうと思います。

アクリル絵の具のイエローオキサイドと白を混ぜたものを使用しました。
イチゴの種って、やや黒い種や黄土色の種、赤い種等、品種によって違いがある様なのですが、今回はイチゴタルトにするうえで程よくアクセントになる黄土色を選択しました。

黄土色のアクリル絵の具で全体を塗ってしまいます。

黄土色のアクリル絵の具で全体を塗ってしまいます。

種一つ一つを筆で塗るのは、イチゴ数個分ならばできないことも無いのですが、この数なので、一旦全体を塗ってしまい、種の部分だけ残すという作戦を取ります。
ちゃんと種の凹みの奥まで絵具で塗っておきます。

黄土色のアクリル絵の具が生乾きになったらメラミンスポンジに水を付けてこすります。

黄土色のアクリル絵の具が生乾きになったらメラミンスポンジに水を付けてこすります。

すると写真の様に、黄土色の絵具だけが取れて、下地の赤が出てきます。この時、種の部分はへこんでいるのでメラミンスポンジが当たらず黄土色が残ります。
紙に接着したままだと横の部分が処理できないので、一個ずつ外してメラミンスポンジで削ります。

メラミンスポンジでこすった結果が下の写真です。

メラミンスポンジでこすった結果が下の写真です。

これだけ大量(写真は、今回作ったイチゴの半分ぐらいですが)のイチゴの種がちゃんと塗り分けられているのが判るかと思います。
ただ、メラミンスポンジでこすったので、全体につやが無いのと、赤が剥げてしまっている部分が有ります。

赤が剥げてしまった部分はアクリジョンの赤でタッチアップしておきます。

赤が剥げてしまった部分はアクリジョンの赤でタッチアップしておきます。

色が薄くなってしまった程度だと、そのままにしておいても大丈夫です。

全体をクリア+クリアレッドで上塗りします。

全体をクリア+クリアレッドで上塗りします。
塗った後、台の紙が下の写真の様に赤くなる程度に、クリアがメインでクリアレッドをほんの少しまぜてエアブラシで塗っています。

これは以下の3つの効果を狙っています。
1.赤が薄くなってしまった部分に赤みを足す。
2.全体につや出しをする。
3.種の部分とほかの部分のトーンを合わせて種の部分を落ち着かせる。

全体のトーンを同じにするために、上から薄い色で全体を塗るというのは意外と効果が有りますので、これ以外にも色々活用してみてください。

クリア+クリアレッドを塗った結果が以下の写真です。

クリア+クリアレッドを塗った結果が以下の写真です。

全体のトーンをそろえたので、種の部分が変に目立たず全体に落ち着いた感じになっていると思うのですが、いかがでしょうか。

次回はこのイチゴ達を盛り付けていきたいと思います。

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