フルーツタルトを作ってみました Vol.7(くじら亭のミニチュアものづくり)

前回までで、イチゴタルト本体は完成しました。
この後はフルーツタルトの続きで、イチゴタルトの飾り付けや、フルーツを使った(タルト以外の)ケーキ類を作っていきたいと思います。
ということで、タイトルは引き続き「フルーツタルトを作ってみました」で行きたいと思います。

今回からは、前回のイチゴの断面の作り方を応用して、イチゴのフレジェを作っていきたいと思います。
最初はイチゴの断面の手法を使えば簡単にできると思ったのですが、フレジェはスポンジとイチゴやクリームが面一にならないと美味しそうにならないので、そこに苦労しました。

※ 当記事は、ミニチュアフードをご自分でお作りの方に、実際の作品の作る過程をネタに、ちょっとした(やや高度な)テクニックや道具・材料の紹介をしたいな、と思って書いています。基本的な道具や材料の使い方までは当記事ではお伝えできないので、ミニチュアフードを作ってみたい、作り方を知りたいと思っている方は、日本ミニチュアフード協会認定コース(基礎・応用)を受講されることをお勧めします。

まずは、スポンジ/クリーム部分の型の元になるプラ板の円板を切り出します。

まずは、スポンジ/クリーム部分の型の元になるプラ板の円板を切り出します。

使ったのは、タミヤ社の0.5mm厚のプラ板です。
もう少し厚いプラ板も売られているのですが、サークルカッターで切り出すには0.5mmが限界なので、これを何枚か重ね合わせて原型にします。
サイズの参考にしたのは、スーパーやデパートで置いてあるクリスマスケーキのカタログです。
カタログにケーキの直径が書いてあるのでそれの10分の1のサイズにしました。

ということで、下の写真の様に、直径15mmの円形に切り出します。
いくつかのカタログに定規を当てたりしてバランスの良い厚みを考えて、スポンジ部分が1.5mm厚、クリーム部分が3.5mm厚としました。
それぞれ3枚と7枚も切り出しています。

プラ板の円板を重ねて、ブルーミックス型を作ります。

プラ板の円板を重ねて、ブルーミックス型を作ります。

写真の左がクリーム部分、右がスポンジ部分で、それぞれプラ板を接着剤で接着しています。
プラ板を重ねると、微妙な段差や隙間ができるので、紙やすりで削ったり、エポキシパテで埋めたりして、円筒形に成形します。

側面が奇麗になったら、ブルーミックスで型を取ります。

それぞれ型からとって合わせたらサイズが違ってしまいました。

それぞれ型からとって合わせたらサイズが違ってしまいました。

詰めたときの粘土の水分量や、詰めたときの圧力の違い等サイズが変わってしまう原因は色々有りますが、
私は、パンやスポンジを作る場合、ザラリとした感じを出したいので、モデナに石粉粘土を混ぜているのですが、それも影響しているようです。

どちらにせよ、型から取っただけだとピッタリそろわないので、削って修正する必要がありそうです。
スポンジを作っている粘土は、石粉粘土を混ぜているため削りやすいので、スポンジの原型を少し大きくしたいと思います。

マスキングテープを巻いて大きさの調整をしています。

マスキングテープを巻いて大きさの調整をしています。

見やすくするために、クリームの部分にもマスキングテープを1巻きしています。
スポンジの部分に1.5mm幅に切ったマスキングテープを巻いたところ、4巻きで大きさが揃ったので、原型に4巻きマスキングテープを巻いて調整することにします。

原型にマスキングテープを巻きつけました。

原型にマスキングテープを4巻き巻きつけました。

再度ブルーミックス型を取って、作ってみました。

再度ブルーミックス型を取って、作ってみました。

すると、今度はスポンジ部分の方がちょっと大きくなりました。
計算ではマスキングテープ1巻き分だけ大きくなるはずだったのですが、よくわからなくなってきました。
でも、スポンジは石粉粘土を混ぜていて削りやすいので、少し大きいほうがいいかも!と気を取り直して、これで作っていきます。

クリーム部分を紙やすりで成形します。

クリーム部分を紙やすりで成形します。

クリーム部分は、イチゴの断面を表現したいので、モデナにオリジナル絵具の「おもちホワイト」と「パンの生地色」をほんの少量加えています。
あんまり絵具を入れると断面の透明感が無くなるので、ほんのり色づく程度に抑えています。

モデナは240番位の粗い紙やすりだと削れるので、これで上下面を平らにするとともに、周りをきれいな曲面にしておきます。

スポンジは上下面に焼き目を付けてみました。

スポンジは上下面に焼き目を付けてみました。

クリーム部分と同様、240番の紙やすりで上下面を平らにした後、オリジナル絵具の「ふんわり焼き色」で焼き目を付けてみました。
実物の場合、スポンジを薄く焼く場合と、厚めに焼いて薄く切る場合があるようです。
スポンジを薄く焼いたと想定して上下面に焼き目を付けたのですが、実際にクリーム部分と合わせると境界部分がはっきりしすぎました。

スポンジの周りをクリーム部分に合わせて削ります。

スポンジの周りをクリーム部分に合わせて削ります。

円形に削る場合、紙やすりを曲げて、スポンジの周りに沿わすようにあてて削るときれいに削れます。

トレーシングペーパーでイチゴの断面とクリームを表現しました。

トレーシングペーパーでイチゴの断面とクリームを表現しました。

イチゴは前回イチゴの断面で使ったデータをもとに、少し小さくしています。
フレジェには、少し小振りなイチゴを使う方がバランスが良くなるからです。
ですので、イチゴの高さは、断面の時は5mmぐらいだったのですが、今回は3mm程度で印刷しています。

そしてクリーム部分は、下の写真の様に、裏からオリジナル絵具の「おもちホワイト」を塗っています。
裏から塗っているので、イチゴの縁に絵具が多少かかってもイチゴの赤でおおわれるので、きれいに塗り分けされています。

これをクリーム部分に接着すると、イチゴの断面らしく見えるはずです。

トレーシングペーパーをクリーム部分に貼り付けました。

トレーシングペーパーをクリーム部分に貼り付けました。

イチゴとクリームの雰囲気は結構良く出ていると思います(自画自賛!)。
でも、全体に少し真ん中が膨らんだ樽型になっているのが気になります。
粘土自体が柔らかいので、単独できれいな円筒に削り出すのが難しかったようです。

上下のスポンジを接着してみました。

上下のスポンジを接着してみました。

イチゴやクリーム感じは良いのですが、スポンジとクリームの合わせ目が奇麗では無いですね。
フレジェはこの部分がピッタリ同一でないとフレジェらしくないので要改善です。

原因として考えられるのが
  スポンジ部分とクリーム部分の大きさが微妙に違う。
  スポンジ部分とクリーム部分の形が、それぞれきれいな円ではなくわずかに楕円に変形している。
  クリーム部分の角が、微妙に丸まっている。
等があるかなと思います。

ということで、次回以降でこのあたりを改善するとともに、上の飾りつけも実施していきます。

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