フルーツタルトを作ってみました Vol.8(くじら亭のミニチュアものづくり)
前回、失敗談を語ってしまったイチゴのフレジェ、今回から本格的に作っていきたいと思います。
今回は、前回失敗した「スポンジと、イチゴ&クリームを面一にする」ところを結構苦労して解決しましたので、その方法をご紹介します。
※ 当記事は、ミニチュアフードをご自分でお作りの方に、実際の作品の作る過程をネタに、ちょっとした(やや高度な)テクニックや道具・材料の紹介をしたいな、と思って書いています。基本的な道具や材料の使い方までは当記事ではお伝えできないので、ミニチュアフードを作ってみたい、作り方を知りたいと思っている方は、日本ミニチュアフード協会認定コース(基礎・応用)を受講されることをお勧めします。
目次
- スポンジとクリームの上下面を紙やすり(240番あたり)で平らにしておきます。
- スポンジとクリームを、水で溶いた粘土(モデナ)+木工用ボンドで接着します。
- 接着して完全に乾燥したら、スポンジとクリームの周囲をまとめて紙やすり(240番あたり)で整形します。
- トレーシングペーパーに印刷したイチゴの断面にクリアを吹き付けます。
- 裏から、クリーム部分に絵具で白く塗っておきます。
- スコヤを使って、イチゴの断面を一定幅で切り出します。
- 実際の幅はこんな感じにしました。
- イチゴの断面を接着していきます。
- まずは印刷したイチゴの断面の真ん中に少し薄めた接着剤を筆で塗って接着します。
- 最後の端っこは、両側イチゴ2枚分ずつ位接着せずに残しておいて重ね合わせます。
- 両端を接着した状態です。
- 前後の記事
スポンジとクリームの上下面を紙やすり(240番あたり)で平らにしておきます。
スポンジとクリームの上下面を紙やすり(240番あたり)で平らにしておきます。
前回は、周囲も成形したのですが、今回は「面一(つらいち)」にするため、スポンジとクリームの周囲は後から成形します。
スポンジとクリームを、水で溶いた粘土(モデナ)+木工用ボンドで接着します。
スポンジとクリームを、水で溶いた粘土(モデナ)+木工用ボンドで接着します。
スポンジとクリームを、単に木工用ボンドで接着すると、隙間に入り込んだボンドが透明になりすぎるので、粘土(クリーム用に白を少量加えたもの)を水で溶いて、木工用ボンドを少し加えたもので接着します。
写真の様に、合わせ目のところにたっぷりと乗せて、スポンジとクリームを接着します。隙間からあふれるぐらいに押さえつけえおきます。
接着して完全に乾燥したら、スポンジとクリームの周囲をまとめて紙やすり(240番あたり)で整形します。
接着して完全に乾燥したら、スポンジとクリームの周囲をまとめて紙やすり(240番あたり)で整形します。
写真の左が接着して乾燥させたもの、右がまとめて整形したものです。
クリーム部分が樽型にならず、隙間もなく、きれいに面一になりました。
トレーシングペーパーに印刷したイチゴの断面にクリアを吹き付けます。
トレーシングペーパーに印刷したイチゴの断面にクリアを吹き付けます。
前回は簡単にしか説明しなかったイチゴ断面ですが、今回はすこし詳しく説明します。
印刷したイチゴの断面ですが、表裏が判るように、先頭に「表」の字を印字しておきました。
そして、表からクレオス社のプラモデル用のクリアのスプレー(ラッカー系と言われる塗料です)を薄く2回ぐらい吹いておきます。
ラッカー系は乾燥時間が短いので、薄く塗布すればインクジェットのインクが溶け出す前に乾いてくれます。
これは、作業する時に触っても色が取れない様にするのと、最後にニスを塗るときににじまない様にするためです。
クレオス社のトップコートでもできますが、トップコートはラッカー系と比べると乾燥時間が長いのと、溶剤に水が入っているので、インクが溶け出しやすくなります。インクが溶け出さない様に特に薄く何回かに分けて吹いてください。
裏から、クリーム部分に絵具で白く塗っておきます。
裏から、クリーム部分に絵具で白く塗っておきます。
「表」が裏向きに見える状態で、塗っていきます。
この時、イチゴとクリームの白に隙間が有ると不自然なので、赤い線に少しかかる程度に白を塗っておきます。
少しイチゴの赤い線に白がかかっても、表から見るとわかりません。
スコヤを使って、イチゴの断面を一定幅で切り出します。
スコヤを使って、イチゴの断面を一定幅で切り出します。
ざる蕎麦の時に使った方法で、写真の状態でイチゴの下を切って、スコヤをカッティングボードの縁に沿ってずらして、イチゴの上端を切り取ります。
この時、粘土で作ったクリームの部分の高さよりほんのわずかに大きめに切った方が出来上がりが奇麗です。
実際の幅はこんな感じにしました。
実際の幅はこんな感じにしました。
クリームの部分より、ほんのちょと大きいのが判ると思います。
スポンジと重なった部分は、白絵具で隠れるので気になりません。
イチゴの断面を接着していきます。
イチゴの断面を接着していきます。
実はここからが難関です。印刷したイチゴの断面ですが、実際にクリーム部分の外周に当ててみるとわかるのですが、外周より少し(イチゴ半分)短めにしています。
これは、接着する時トレーシングペーパーが少し伸びるからなのですが、その伸び方を調整しながら貼り付けていかなければいけません。
まずは印刷したイチゴの断面の真ん中に少し薄めた接着剤を筆で塗って接着します。
まずは印刷したイチゴの断面の真ん中に少し薄めた接着剤を筆で塗って接着します。
その後、イチゴ2~3コ分ずつ、少し薄めた接着剤を筆で塗って、トレーシングペーパーをピンと張りながら貼っていきます。
トレーシングペーパー側に接着剤を塗ると水分を良く吸ってトレーシングペーパーの伸びる量が増えるので、端っこのイチゴを合わせながら、あんまり伸ばしたくないときは粘土側に接着剤を付けてはっていきます。
ここの調整は結構難関ですので、何回か挑戦して感じをつかんでください。
最後の端っこは、両側イチゴ2枚分ずつ位接着せずに残しておいて重ね合わせます。
最後の端っこは、両側イチゴ2枚分ずつ位接着せずに残しておいて重ね合わせます。
そして2枚を合わせたままカッターで切ります。
壁紙を貼るときにやる方法ですね。(え、知らないって?)
写真はカッターで切った後、開いたものです。
この状態で、両側を接着剤で接着します。
両端を接着した状態です。
両端を接着した状態です。
僅かに隙間ができたり重なったりしますが、乾燥してから補正しますので、この位にできれば乾燥させます。
この状態で、トレーシングペーパーがイチゴ半分位伸びて、ちょうどいい長さになったのが判ると思います。
今回はここまでです。
次回は合わせ目の補正をして、クリームやイチゴで飾り付けをしていきたいと思います。