市販のシリコン型でお皿を作ってみました Vol.2(くじら亭のミニチュアものづくり)

今回は、前回シリコン型で作ったお皿に着色していきます。
前回作った菊皿と梅皿、今回菊皿は白、梅皿は古代朱(黒っぽい落ち着いた朱色)風に色付けをしたいと思います。
なお、お皿の材料は軽量石粉粘土(パジコのラドールプルミエ)で作成しています。

※ 当記事は、ミニチュアフードをご自分でお作りの方に、実際の作品の作る過程をネタに、ちょっとした(やや高度な)テクニックや道具・材料の紹介をしたいな、と思って書いています。基本的な道具や材料の使い方までは当記事ではお伝えできないので、ミニチュアフードを作ってみたい、作り方を知りたいと思っている方は、日本ミニチュアフード協会認定コース(基礎・応用)を受講されることをお勧めします。

石粉粘土を着色するときは、アクリル絵の具にジェルメディウムを混ぜた方が定着が良いですね。

お皿を作るのに使った石粉粘土、カリッと仕上がって削りやすいのでお皿の形を作るには良いのですが、アクリル絵の具を塗るときには注意が必要です。

詳しい特性は知らないのですが、石粉粘土にアクリル絵の具を普通に塗ると、アクリル絵の具が剥がれてしまうことが有ります。粘土が厚めの場合には、水で薄めた絵の具を染み込ませるように塗れば、アクリル絵の具が剥がれることは少ないのですが、今回のお皿の様に粘土が薄い場合には、それをやると水を吸ったお皿が柔らかくなって形がゆがんでしまいます。
そのため、私はアクリル絵の具の定着を良くするために、ジェルメディウムを絵の具の半分ぐらい混ぜ込んで使っています。

今回使用した絵の具は、菊皿の白はオリジナル絵の具のおもちホワイトを、梅皿の古代朱はホルベイン社のアクリルガッシュのクリムゾン色にアクリル絵の具のオレンジを少し加えています。
オリジナル絵の具はこのままで、梅皿のアクリルガッシュは少し水を加えています。

むらなく塗るために、薄く何度かに分けて塗ります。

食品と違い、食器の場合(特に洋食器の場合)筆ムラができると洋食器のつるりとした表面の感じが出なくなるので、3回ぐらいに分けて薄く塗っていきます。

まず、一回ごとには、筆先にちょっとつけて塗っていきます。薄塗りだと塗りが薄くて地肌が見えているところもできますが、何回か重ねて塗ることで解消します。
一回で全部を塗ろうとして、筆にたっぷり絵の具を含ませてしまうと厚ぼったくなり、しかも筆ムラが大きくなってしまいます。

そして、筆は色ごとに分けましょう。特に、赤等の彩度の高い絵の具を塗った後、白を塗るときは注意です。
赤の絵の具が筆の奥のほうに残っていたりするのと、白のはずが薄ピンクになって取り返しがつかなくなります。
実際、写真の筆の内、赤を塗っている筆は水洗いしても赤が残ってしまいました。これで白の絵の具を塗ると、水に溶けなかった赤い絵の具が溶けだしてしまいますので。

あと、筆は良いものを使いましょう。筆の良し悪しが、筆ムラにつながります。写真は「タミヤのモデリングブラシHG 平筆 小」です。 毛先が柔らかく筆先がそろっているものが良いですね。

3回ほど重ね塗りすると完了です。

3回重ね塗りをしたのが下の写真です。

筆ムラはほぼなくなりましたのでこれで重ね塗りは完了です。

このままだと艶消し状態なのと、アクリル絵の具の塗装は弱いので、ニス塗りは必須ですよね。
今回も、ニスを塗るのですが、ニスを塗る際にアクリル絵の具がニスに溶けださないように、アクリル絵の具を1日置いて完全に乾燥させます。

ところで、写真の赤を塗った筆ですが、結構染まってしまいました。水で洗っても、これが限界です。
絵の具が完全に乾くまでの間に、こういう時の対処法を次に紹介します。

水洗いで取れない絵の具の洗浄はフデピカリキッドが便利です。

水洗いで取れない絵の具の洗浄はフデピカリキッドが便利です。
シンナーなどと違い、においや毒性、揮発性が低く、安心して使えます。

写真は、クレオス社の「Mr.フデピカリキッド」と「Mr.ブラシウォッシャー」です。
私は、Mr.ブラシウォッシャーに、このフデピカリキッドやMr.ツールクリーナーを入れているので、区別するために蓋に「筆ピカ」と書いています。

ちなみにMr.ツールクリーナーは、エアブラシ用の洗浄液で、こちらの方が洗浄力は強力なのですが(プラスチックも溶かしてしまいます)、結構強いシンナーでボトルに「有害」と書いているぐらいなので、使う場合にはエアブラシ用の換気設備が必須です。換気設備がない場合には使用はお勧めしません。

フデピカリキッドは、筆専用の洗浄液ですが、水溶性(水とアルコール系溶剤)でにおい等もしないのに、結構洗浄力は高く、固まった塗料も溶かしてくれます。
ブラシウォッシャーは、底に穴があいた金属板が入っているので、筆をプレートにこすりつけて洗浄でき、溶けた塗料はその下に沈む構造になっています。

実際の使い方ですが、筆先を底のプレートでしごく(軽く筆先の腹の部分を押し付ける感じです)ときれいになります。汚れが落ちたら最後に水洗いをしておきます。もし筆の汚れがひどい場合には、しごく前に筆を写真のような状態で1分ほどフデピカリキッドに浸けておくときれいになります。

なお、浸けこむ際に筆の軸が浸かっていると、軸の色も落ちるので注意です。フデピカリキッドを付けたティッシュで軽くふくと、軸は色落ちせずきれいになります。

この後ニスを塗るのですが、ニスを塗った後の筆もこのやり方で洗浄することをお勧めします。

先ほどの赤い絵の具がしみ込んだ筆がこのぐらい綺麗になります。

先ほどの赤い絵の具がしみ込んだ筆がこのぐらい綺麗になりました。
筆先の根元もきれいになっているのがわかると思います。

後ろに写っているフデピカリキッドが結構濁っているのがわかると思いますが、赤、白ともに結構洗い流してくれています。

ニスを塗る際、ニスのボトルに筆を直接つけるのは止めましょう。

最後にニスを塗ります。

ニスを塗る際、筆をニスのボトルに直接つけるのは止めましょう。ニスの溶剤の方が水より溶かす力が強いので、洗い残った筆の絵の具がニスに溶けだす可能性が有ります。そうなると、ニスのボトル一本が無駄になってしまいますよね。

必ず、パレット等に必要量を出して、ニスのボトルは口の部分をきれいにして、蓋をしておきます。

ニスのボトルの口周りにニスがついていると、ニスが固まりその一部がボトルの中に入ったりしてしまいます。
塗料などと違い、ニスは一旦固まると溶けなくなるので、ニスを塗った時に破片の粒子が入ってしまうと、ニスの表面が凸凹になってしまいます。

ティッシュではけば立つので、できれば水を吸わせたキムワイプでふき取ることをお勧めします。

そして、ニスを塗った結果がこちらです。

皿にニスを塗る際は、陶器の釉の様に滑らかにする必要があるので、水で少し薄めて、薄く何回かに分けて重ね塗りをします。1回で厚く塗ると凸凹が目立って陶器らしく見えなくなります。
私は、3回に分けてニスを塗りました。それが下の写真です。

粘土・絵の具で作ったにしては結構綺麗にできました。
本物と同じ原材料・作り方の、sayakaさんのミニチュア陶芸食器と比べると、さすがに色・つや・質感等全然かなわないのですが、自分で作ったミニチュアフードを乗せて楽しむには十分なものが出来上がったと思います。

日本ミニチュアフード協会の会員インタビューのページに掲載いただきました。

こうして、制作テクニックの記事を書いていると、私がどんな人間か関心を持っていただけたようで、なんと日本ミニチュア協会さんからインタビューのご依頼を頂戴しました。
先日そのインタビュー記事が日本ミニチュアフード協会のホームページに掲載されました。
下にあるLINKをクリックすると、そのページに飛びます。

はっきり言って....はずかしい (^^; ....

では、皆様の期待に応えるためにも、気合を入れて記事を書いていきますね!

ということで、次回は、できるだけ簡単な瓶入りジャムの作り方を紹介しようと思っています。ジャム瓶って、パンを作ったらその横に置きたくなるけど、どうやって作ってよいかわからない(私も最初は色々試行錯誤をしました)方も多いかと思いますので。