ジャックオランタンを作ってみました。Vol.4 (くじら亭のミニチュアものづくり)

くじら亭です。こんにちは。
今回も、拙文を読んでいただきありがとうございます。

前回は、ロリポップ(渦巻キャンディー)を作成しました。
今回からは、再びジャックオランタンに戻って、ジャックオランタンがぶら下がっている「叫ぶ木」を作っていきたいと思います。

※ 当記事は、ミニチュアフードをご自分でお作りの方に、実際の作品の作る過程をネタに、ちょっとした(やや高度な)テクニックや道具・材料の紹介をしたいな、と思って書いています。基本的な道具や材料の使い方までは当記事ではお伝えできないので、ミニチュアフードを作ってみたい、作り方を知りたいと思っている方は、日本ミニチュアフード協会認定コース(基礎・応用)を受講されることをお勧めします。

「叫ぶ木」の顔の部分を作っていきます。

「叫ぶ木」の顔の部分を作っていきます。

ここでは「叫ぶ木」と書いてますが、本当は何というのでしょうね?
ネットで調べてもよくわからなかったので、当記事では「叫ぶ木」と書きますね。

木は、石粉粘土(ラドール)と樹脂粘土(モデナ)を50:50で混ぜたものを使って作っています。
石粉粘土(ラドール)を混ぜるのは、ある程度の硬さを持たせたいからです。
モデナを混ぜるのは、粘りというか、曲げに対する耐性を持たせたいからです。
二つを混ぜると、両方の良いところが出る様に思っています。

顔の部分は、円筒形にしたいので、成形後丸めたクリアフォルダーの上で乾燥させています。
目や口は、軽くくりぬいています。

乾燥したら目や口を成形していきます。

乾燥したら、目や口を、カッターや細く切った紙やすりで成形します。
乾燥前は粘度が柔らかくて、写真の様な細かい部分がシャープにならないので、乾燥させてから加工します。
石粉粘土(ラドール)が多めに入っているので、紙やすりで加工がしやすいですね。
この辺りはジャックオランタンの顔の成形方法と同じです。

最後に、細かい部分が判りやすいように色を塗りました。
なかなか、良い感じの顔になりました。

顔の内側を赤く光らせるため、内側を赤く塗っておきます。

顔の内側を赤く光らせるため、内側を赤く塗っておきます。

LED自体はジャックオランタンで使ったのと同じ、LEDキャンドルのLEDを使いますので、電球色で発光します。
ですので、反射する部分を赤く塗るのと、途中に赤色のフィルターを入れることで、顔の中を赤く発光させています。

写真の右の半円筒の部品は、顔の内側の部分です。
目や口の穴を通して外から見える部分なので、同様に赤く塗っておきます。

顔の部分を組み立てました。

顔の部分を組み立てました。

赤く塗った顔の内側を貼り合わせて円筒にしてあります。

下の部分(左手前)は、タミヤの透明プラ板で赤のフィルターにしています。
アクリジョンのクリアレッドを少し厚めに塗ってあります。
この部分から、LEDで顔の内部を照らします。

そのままだとほとんどの光が直進して上に抜けてしまうので、光が反射して顔の中が均等に光るように、上の部分はアルミ箔を2重にして貼ってあります。

顔を光らせるLEDを組み込みます。

顔を光らせるLEDを組み込みます。

ジャックオランタンに組み込んだ時と同じように、LEDの先端を削っておきます。
LEDの固定には、UVレジンを使っています。UVレジンをLEDと木の間に流して、UVライトを照射して固めています。
ショート防止のため、LEDの足の部分もUVレジンで覆ってあります。

試験点灯しました。

試験点灯したのが下の写真です。

顔の内側全体が赤く光って良い感じだと思いませんか。
LED工作をする場合には、頻繁に試験点灯すると、早めに不具合が判って修正できますので、頻繁に試験点灯されることをお勧めします。

LEDの周りをプラ板でカバーします。

LEDの周りをプラ板でカバーします。

この後、粘土でLEDの周りを囲うのですが、その粘土が、赤い色のプラ板とLEDの間に入り込まない様にするためです。

顔部分の上下に粘土を詰めて、幹の部分を作ります。

顔部分の上下に粘土を詰めて、幹の部分を作ります。

この部分が幹の前半分になります。この後、下の余分な部分を切り取っておきます。

下のはみ出した部分をカットして台に載せてみました。

下のはみ出した部分をカットして台に載せてみました。

幹を出来上がりの時の位置に置いて、電池ボックスからの電源や枝を支える地巻ワイヤーのための穴の位置を鉛筆で印をつけておきます。
地巻ワイヤーの根元の部分は、最終的に幹の一部になりますので、極力前の写真で作った幹の部分と接するようにしておきます。

台に開けた穴の写真です。

台に開けた穴の写真です。

手前の鉛筆で書いた弧の部分が幹の前面の位置です。

4つの小さい穴は、枝を支える地巻ワイヤーのための穴です。
幹の粘土部分に沿って開けてあります。

奥の太めの穴は、電池ボックスからの電源用です。
穴の一方が、台の後ろ側に抜けるように、斜めに開けています。

地巻ワイヤーで枝を作っていきます。

地巻ワイヤーで枝を作っていきます。

粘土だけで枝を作ると強度が出ないので、芯として地巻ワイヤーを入れておきます。鉄筋コンクリートみたいですね。

今回は知巻ワイヤーとしては太めの20番で作成しています。
台に開けた穴(前の写真で説明した)にワイヤーの一方を差し込んで、枝ぶりを考えながら曲げていきます。

枝分かれしている場合、太い枝も地巻ワイヤーで作っておきます。

地巻ワイヤーの枝分かれの部分です。

地巻ワイヤーの枝分かれの部分です。

太い地巻ワイヤー同士を、細い地巻ワイヤー(30番を使っています)で巻いて、瞬間強力接着剤で固定しています。
この部分は、後で枝ぶりを修正したりするときに結構力がかかります。
太い地巻ワイヤー同士を瞬間強力接着剤で固定するだけだと剥がれてしまうので、このようにして強めに固定しています。

枝にジャックオランタンをぶら下げます。

枝にジャックオランタンをぶら下げます。

ジャックオランタンを作るときに組み込んだTピンを適当な位置で切って曲げて、枝に引っ掛けています。
そのあと、リード線を枝に巻き付けておきます。ところどころで瞬間強力接着剤で枝とリード線を接着しておきます。
ジャックオランタンのツルの部分は、Tピンとリード線をまとめて、エポキシパテで巻き付けてあります。

ジャックオランタンのツルの部分のアップです。

ジャックオランタンのツルの部分のアップです。

こんな感じで、Tピンの先を曲げてあります。曲げた部分の近くまでをエポキシパテを巻き付けて、Tピンとリード線をまとめています。エポキシパテを使っているのは強度の問題です。相当薄いので、粘土だとTピンやリード線に力がかかった時にはがれてしまいそうなので。

「叫ぶ木」に引っ掛けた後、木にぶら下がっている部分のツルも作るのですが、その部分は力がかからないので粘土で作成します。(次回の記事で紹介しますね。)

木を後ろから見たところです。

木を後ろから見たところです。

こんな感じで、地巻ワイヤと幹の部分が接しているので、ここも瞬間強力接着剤でところどころ接着しておきます。
これで、「叫ぶ木」の骨格と配線が完成です。

次回は、「叫ぶ木」の最終仕上げをしていきます。

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