スフォリアテッラを作ってみました Vol.1(くじら亭のミニチュアものづくり)
今回からは、「スフォリアテッラ」です。
スフォリアテッラって何?思われた方もおられると思います。
スフォリアテッラとは、イタリア菓子の一種で「ひだを何枚も重ねた」という意味を持つ、重ねて焼いた薄い生地のバリバリッとした食感が楽しめるお菓子です。
では、なぜスフォリアテッラかというと、先日大丸神戸店で行われたイベントに日本ミニチュアフード協会が出店した際に、隣に出店されていたのが、スフォリアテッラ専門店のオスピターレさんだったからなんです。
イタリア菓子というと、ティラミスや最近ブームになったマリトッツォが有名ですが、私が個人的に好みなのが、カンノーロ、シューアラゴスタ、スフォリアテッラといった、パリパリの生地の物なんです。オスピターレも、以前から大阪の百貨店のイベント等に出店されたりしていたので、食べたことが有ったのですが、今回久しぶりに買って食べたら相変わらずの美味しさでした。
イベント最終日に、日本ミニチュアフード協会代表の野津さんと、「スフォリアテッラ」のミニチュアを作るの難しいでしょうね、とか、このパリパリの層はどうやって再現できますかね?というような会話をしていたら、作家魂?が刺激されて作りたくなってしまいました。
実際に作ってみたら、やっぱり難しかったけど、写真の様な感じの「スフォリアテッラ」がどうにか作ることができたので、せっかくなので記事にしてみました。
ということで、今回からこのスフォリアテッラを再現していきたいと思います。
※ 当記事は、ミニチュアフードをご自分でお作りの方に、実際の作品の作る過程をネタに、ちょっとした(やや高度な)テクニックや道具・材料の紹介をしたいな、と思って書いています。基本的な道具や材料の使い方までは当記事ではお伝えできないので、ミニチュアフードを作ってみたい、作り方を知りたいと思っている方は、日本ミニチュアフード協会認定コース(基礎・応用)を受講されることをお勧めします。
目次
スフォリアテッラの写真です。
買ってきた、スフォリアテッラの写真です。
本物の「スフォリアテッラ」は、こんな感じのお菓子です。
小麦粉の生地を薄く伸ばして、ラードを塗って巻き込んで、フィリングを包んで焼き上げます。
塗りこんだラードで揚げたようになり、「パリパリ」の食感になります。
まずは土台を作ります。
まずは土台を作ります。
スフォリアテッラの貝殻の様な形を再現します。
パリパリのひだは、薄く伸ばした「すけるくん」を使います。
パリパリのひだは、薄く伸ばした「すけるくん」を使います。
以前ロリポップを作った時の経験で、「すけるくん」は良く伸びて、曲げても折れにくい/切れにくいので、こういう加工に最適です。
厚みは0.2mm程度の極薄にします。
ざる蕎麦のすだれを切り出したのと同じ方法で細く切り出します。
ざる蕎麦のすだれを切り出したのと同じ方法で細く切り出します。
使うのは、カッティングマット、スコヤ、金属製の物差し、マスキングテープ、デザインカッターです。
1mm幅と、0.5mm幅の2種類を切り出します。
1mm幅と、0.5mm幅の2種類を切り出します。
スフォリアテッラは途中で段があり、そこでひだの立ち具合が変わっているので、ひだが立っているところは0.5mmで、比較的寝ているところには1mmの物を使います。
まずはひだが比較的寝ている部分を作っていきます。
スフォリアテッラの三角形の底辺に近い部分は比較的ひだが寝ています。
ここは、1mm幅のひだを重ねて貼り付けています。
1mm幅に切った「すけるくん」を水に浸けて、柔らかくし、木工用接着剤で接着しています。
全体の1/3位ひだを重ねた部分ができたら、次はひだを斜めに立たせて接着していきます。
全体の1/3位ひだを重ねた部分ができたら、次はひだを斜めに立たせて接着していきます。
1mm幅のひだは、0.5mmずつ重なるような感じで接着しています。
4枚巻き付けた所で、0.5mm幅のひだの1枚目を、45度位の角度で立ちあげて接着しています。
こんな感じで、どんどんひだを斜めに立たせて接着していきます。
こんな感じで、どんどんひだを斜めに立たせて接着していきます。
上面のひだの部分は45度位で立たせるのですが、側面はひだを寝かせて重ねる様にします。
かどの所で結構ねじるのですが、「すけるくん」は柔軟性が有るので、こういう時に良いですね。
1枚貼り付けるのに、まず立たせた部分が完全に乾くまで待って、横の部分を接着します。
1枚1時間という感じになるので、気長にやる必要があります。
最後はポンチで丸く切り出した生地を接着しました。
最後はポンチで丸く切り出した生地を接着しました。
スフォリアテッラの生地が完成しました。
スフォリアテッラの生地が完成しました。
結構時間がかかりました。
1個作るのに丸2日(ほとんどが乾燥待ちですが)かかるので、このやり方で何個も作っていられないので、これを元に型取りをしたいと思います。
全体にサーフェーサーを塗っておきます。
全体にサーフェーサーを塗っておきます。
次回はブルーミックスを使って型取り・複製を行いたいと思います。
こういう複雑な形をした原型の型取り・複製は結構丁寧にやる必要があります。
次回、そのやり方を説明しますね。